2023年9月10日

曼荼羅資料

ジャーナリストの佐々木俊尚氏が紹介していていた、現在の「ポンチ絵」の話。自分は仕事で官公庁の人と出会う機会は殆ど無いので、ここまでの資料は見たことはありませんが、それでも官公庁が公開している様々な資料をみると「ごみごみしているなぁ」という印象をかなり受けます。

社会に出て仕事をしていると、この手の「プレゼンテーション資料」の作成は必須の作業の1つで、最近だとMicrosoft OfficeのPowerPointはその資料作成ソフトの代表作。今はパソコン等で資料を作成して、それをプロジェクターや大画面モニターに表示して情報共有をしながらミーティングをするわけですが、自分が社会人になった頃はまだパソコンが仕事で使われ始める前の時代で、ミーティングでの情報共有手段としては、「OHP (Over-Head Projector)」を使用していた時代。蜜柑箱くらいの箱の中に強力なランプが内蔵されていて、上面が平面に近いレンズが填め込まれていて、下から照らすようになっています。 そのレンズの上に透明なシートにマジックなどで書いたものを置くと、その上にある鏡に反射して正面のスクリーンに大きく表示する、言ってみれば「動かない映画」みたいな仕組み。その透明なシートには「OHPシート」と言うものがあって、印刷した紙に重ねて熱転写装置みたいなものに通すと、印刷された文字や図形が黒く転写されるので、それをOHPの上に乗せると正面のスクリーンに表示される仕組み。昔は、手書きで直接透明なシートに書いたり、暫くするとMicrosoftのPowerPointとか、今は無き(?) LotusのFreelance等のアプリでプレゼンテーション資料を作成し、それをプリンターで印刷してからOHPシートに転写してミーティング資料をよく作っていました。当時はホストコンピュータを端末利用して仕事をしていましたが、大きなフォントで印刷出来るようなツールがあって、それでプレゼン用の資料を印刷してOHPシートに焼いてよく利用していましたねぇ。

そんな状況だったから、昔のOHP時代の資料は基本黒一色で余り細かな図形などは上手く転写されないので、結構大きく作図したり文章(テキスト)も読めるように大きめのフォントを使用したもの。だから当時の資料作成は、完結にまとめることとが一番要求されていたように思います。それでも、OHPに凝る人だと、OHPシートに熱転写してから、色つきのセロハンとか貼り付けて「カラーのOHPシート」を作る職人とかいたりしたなぁ(笑)。OHPから、最初はプロジェクターに移行しだしたのは何時くらいだったなかなぁ。2000年前後くらいだろうか。プロジェクター自体まだ高価な時代だったので、パソコン用のサイズの大きなモニターをミーティングルームにおいて使用する事も多かった気がします。パソコンに接続して表示させるんだけれど、当時はまだアナログ接続が殆どだったから、余り細かな表示が出来ず、OHP時代と比べてカラフルにはなったけれど、内容はやはりシンプルに分かりやすくというのが「良いプレゼン資料」の要素でした。当時は、パソコンの解像度もXGA(1024×768)位だったから、画面表示するにしても限界がありましたからね。それが今では4Kモニター何て当たり前だから、より緻密な表示が可能になっているし、より見栄えが大事な状態になってきている気がします。

noteで示されている「資料」は、文字通り「資料」であって「プレゼン資料」では無いんですよね。昔のように、全品が一つの画面を見て会議をする時代から、今は一人一人が自分の画面を見て会議をする時代になっているので、必要ならば拡大しても良いし、全部を見なくても良い場合もある。そうなると、同じ情報量でも複数のページを書籍のようにページ移動しながら情報参照するよりは、一枚のページ上に全ての情報がまとめられた方か参照しやすい。恰も、コンピューターのメモリーシステムみたいですよね。前者がページングで後者が単一アドレスというような仕組み。今は、印刷したり画面で参照することが前提だから、ぎゅっと圧縮したような内容(=画面)になるけれど、これが例えばリモート会議がZoomとかではなく、VR環境で行われるようになったら、今度は同じ資料でも今のような平面(二次元)から立体的な三次元の記述も出来るようになるから、更に複雑に成るんじゃ無いだろうか。ただそうなれば、自分の視点から見たいものだけを表示させたりすることで、余計な情報や不要な情報を隠すことで、逆に情報は詰め込まれていても、見やすくなるかもしれない。今の複雑な曼荼羅資料だって、要素毎にレイヤー化されていて、レイヤーをON/OFFすることで必要な情報だけ表示出来るようになったら、実は必要な情報へシンプルにアクセス出来るようになるかもしれない。

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