2023年8月22日

受ける作品作り

佐々木俊尚氏が紹介していた、AI等の技術を利用した新しい「書籍販売」のビジネスモデル。 

小説の無料投稿サイトで読者の傾向などを探り、その中かな「売れる」作品を優勝サイトで販売して利益を得るという流れらしい。

似たような仕組みは、音楽とかにも適用出来そうですね。ただ、小説にしても楽曲にしても、その時には「わっ!」と盛り上がっても、直ぐに冷えてしまいそうな気もする。後に大ヒット作となる「ハリーポッター」や「キャリー」という著作が、最初は殆どの出版社から断れたことから発想したスキームとのことだけれど、やはりそう言う「運」にも恵まれて選ばれてヒットした作品と、今の多数の気持ちや欲求に沿った作品とは、そのスタート時での熱狂度合いは同じ位でも、寿命というかその後の支持率は大きく違うんじゃ無いだろうか。これって、例えば有名番組で特定の食材とか食品を取り上げると、その瞬間からスーパーやレストランで品切れ状態になるけれど、一週間もすると元の状態に戻るのと同じ事では。それも繰り返されれば、段々と最初の熱狂度合いも下がってくるだろうし。

個人的に感じるのは、「商品」と「作品」の違いでは無いかと言うこと。「売れる」事に主眼を置くのは、やはの「商品」であるし、ごく一部の人に受けるにしても、その感銘度合いや印象がより深く大きくなるのが「作品」ではないかと。園業界が生き残るためには、そのどちらも必要。パソコン何かの世界でも、大手メーカー等は廉価でコスパの良い「売れ筋商品」から、高級機能満載の「フラッグシップ」や、特徴の有る「ハイエンド機」「専用機」みたいな品揃えをするわけですから。それに、「売れること」だけ考えると、去年と今年と来年の製品は全く違うものが生まれてくる可能性もあるわけで、そうするとユーザーは去年は良かったけれど今年は困惑して来年は見向きもしてくれないかもしれない。

小説とか音楽とか感情とか感性に訴えるものなら、そして出会った時の印象を最大化することが目的なら、こういうアプローチも良いかもしれない。自分が古い時代の人間だからかもしれないけれど、でもそれって売り手に商品を「買わされている」わけで、自分で自分のほしい物を「買っている」わけではない。そう言う従属的な関係って、嬉しいのかなぁ。まぁ自分は流行り物でも気に入れば凄く入れ込むけれど、興味の無いものには全く手を出さない様な天の邪鬼だからかもしれないけれど(笑)。Amazonで簡単便利に読みたい本や商品購入が出来る時代でも、やっぱり自分で書店や販売店をブラブラして商品を見て選んでみたい。フルカスタマイズ出来る、例えば持ち家とか自家用車とか購入しても、暫くしたら色々不満なところが見えてくるように、そう言う計算された作品って飽きられることも早いと思うし、結果的に何百年と続く作品は現れづらい気がする。それって読者だけで無く出版側の不幸でもある気がします。まぁ、生き残るためにはそれなりにお金も入らないといけないから、どちらも塩梅が大切と言う事なんだろうけど。 

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