味の素の冷凍餃子の焼き具合に関して、綺麗に焼けないという消費者のツイートから、実際にフライパンを味の素に送って原因究明することになった話の後日譚的な記事。既に使用済みフライパンの募集は終了していて、味の素ではいろいろな調理状況の解析準備を進めているらしいけれど、その中で驚いた点が「使い込みすぎたフライパン」の存在だったというのは面白いし納得出来る事だと思う。企業側は、数年でフライパンを買い換えたり、それなりに手入れしつつ使用している想定らしかったけれど、それってやはりプロの調理人だったり料理好きなセミプロ的なユーザーだと思う。所謂家庭で冷凍餃子を利用する様な人は、フライパンの手入れもそれなりだし、数年ごとに買い換えるようなマメさも殆ど無いと思うなぁ。
私も以前は毎日自炊をしていたからよく分かるけれど、フライパンって見た目は綺麗そうに見えても表面には調理した素材の残りがこびりついていて、それが蓄積していくと張り付いたりする原因に。テフロン可能のフライパンも、最初は良いけれど、やはり段々とフッ素加工部分が剥がれていくから、ある時期からはこまめに手入れしないと一般的な鉄製のフライパンなどよりも扱いづらくなると思う。逆にテフロン加工のフライパンの手入れの方が、面倒じゃ無いだろうか。私は北京鍋が一番使いやすくて、殆どの調理はこれを使っていて、たまにステーキとか焼く時には一般的なフライパンを使っていましたが、どちらも鉄製のフライパンでしたね。
餃子に関して言うと、今は普通にある「羽根付き餃子」というのも問題があるんじゃ無いかと言う気がします。小麦粉を水とかスープで溶いたものを流し入れて、それが焼けてぱりぱりになる食感を楽しむものだけれど、あれもフライパンへのこびり付きの原因だと思うなぁ。餃子が焼ければ良いのだから、それ以外余計なものまで焼くからこびりつくのだろうし。とは言っても、そういう製品に人気が集まるのであれば、やはりそう言う商品も投入しないといけないわけで、その点味の素を初めとする食品メーカーの努力は凄いと思う。でも、消費者の状況の方がそれを上回る状態だったというのは衝撃だっただろうけど。
自分も分野は大きく異なるけれど、物作りに関わっているので、作る側の想定から180度どころか異次元の使い方をユーザーがすることは何度も経験しています。例えば自分達の世代だと、情報機器なんて精密機械という認識があるから、取扱なんかも自然と丁寧になるけれど、若い世代などは普通に身近にある「物の一つ」だから、丁寧に扱うとかそんな気持ちは無い。そうなると、使用条件とか扱い方も厳しく手荒になるので、突然動作停止したり、何か破損したり、さらには異物混入何て言うのも普通に発生する事象。どこまで、そう言う想定外の事柄に付き合うのかも、商品のコストや製造期間等にも影響するので企業としてはどこかで折り合いを付けないといけないことでもあるんですよね。今回の冷凍餃子も、「油入らない、そのまま焼ける」が一番のセリングポイントだけれど、やはりフライ版によっては油を引いたり、調理に一工夫必要になることも。「ユーザー教育」というと偉そうだけれど、よりより調理結果を得るためにユーザー側にも一手間だったり一工夫してもらう「地力」を付けて貰うことも必要だろうなぁ。この辺り、終わりの無い開発活動のまさに典型ですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿