2023年8月31日

ジャニーズ問題 (2)

ジャニーズ問題の調査結果報告に対して、メディアの責任も指摘されたこともあり、在京のキー局とNHKがコメントを発表。実は昨日時点でそれらの記事を見つけて「あぁ、コメント出したんだ」と思ったんですが、珍しく朝日新聞の記事が一番纏まっていてかつ全文公開しています。

個々の文章表記は異なるものの、その内容は何処の局も同じ。「調査報告を重く受け止める」「重大な人権問題であり真摯に対応する」「ジャニーズ事務所の今後の対応を注視する」という三段構成で、何処の放送局コメントも作られています。凄く気になるのは、

  • 各放送局のコメントでは、「自分達はこれまで人権・人格を尊重してきており、その方針や行動は今後も強化することはあっても揺るぐことは無い」と、婉曲に自分達の関与・関係を否定しつつ、自分達はジャニーズ事務所とは対峙する関係であると仄めかして。でも、これまで一番家系が深かった組織の一つである放送局が、全く責任がないとは言えないと思うし、少なくともその事に関しては「反省」とか「陳謝」する態度が必要なのでは。
  • 更に違和感を感じるのは、この問題の解決をジャニーズ事務所の責任として、彼らの対応しか言及していない事。前段で自分達の関与を否定しているから、そういう論調にならざるを得ないのだろうけど、凄く他人事のコメントに感じるのはその部分からだと思う。勿論、一番の当事者として、ジャニーズ事務所の責任は大きいけれど、それを受け入れてビジネスにしている側としても、同様の事例が再発しないような対策は必要なのでは。
例えば、物作りの中では外部企業が製造した部品とかコンポーネントを利用する場合には、必ず「受入検査」という確認をして受領するけれど、タレントを利用するメデイアとしてもそういう確認作業が必要だと認識されたのが、今回の事例では無いだろうか。だから、もし自社製品に何か不具合が発生した場合、仮にその製品が外部の委託会社が製造したものであっても、自社の名前で出荷して販売したならばその会社の責任として保証するわけですからね。これまで何十年とジャニーズ事務所とともに、歌番組とかバラエティーとか、あるいはジャニー喜多川氏自身を取り上げるようなドキュメンタリー番組などを多数制作して放送してビジネスをしてきた放送局が、ここまで他人事なのは理解出来ない。

さらに言えば、放送局はコメントを出したけれど、同様にこれまでジャニーズ事務所と仕事をしてきた他のメディア、特に芸能関係のメディアからのコメントは無いのだろうか。所謂スポーツ新聞も含む新聞メディア、芸能関係を中心とした様々な書籍・雑誌媒体だって、これまで散々ジャニーズ事務所にはお世話になってきているはず。特に自分くらいの世代だと、「明星」(集英社)と「平凡」(平凡社、現マガジンハウス)なんて、まさにジャニーズ専属雑誌みたいな時もあったわけで、既に休刊しているけれど、出版社は存続しているわけだし、系列の同様の芸能雑誌は発行しているのだから、放送メディアと同様にペーパーメディアの責任だって大きいと思う。と言うか、最初は雑誌メディアが芸能情報の主流であり、そこで形成された「暗黙の了解」みたいなものが、放送メディアにも引き継がれていったのが実状なのでは。事自分達に火の粉が降りかかってくると、途端にその存在感だけで無く存在意義まで不透明感を漂わせるのが、今の「メディア」の気がする。

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