TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に、英国の加盟申請が16日に承認されて、TPPのスタートから初の新規加盟国に(12ヶ国目)。英国の加入により、TPP加盟国のGDPは、世界のGDPの15%まで増加する(英国加盟以前では11%位)らしい。世界GDPの15%と言うと、大きい気もするけれど、アメリカ(1位)が日本の5倍強、中国(2位)が4倍強なので、やはりこの二ヶ国のいずれかが加入しないと、なかなか世界的に大きな勢力には成り得ないと感じます。アメリカは、今の所TPPに復帰するつもりは無いみたいですが、やはりアメリカの存在の有無で世界的な連携や提携の成功が決まることは事実だと感じますね。
そのTPPには、もう一つの雄、中国も加盟申請をしているけれど、TPPの本来の理念を考えたらとても中国は加盟できる状態にあるとは思えないわけで、それでも加盟申請をして多分ごり押ししてくるところに、この国の真骨頂というか強かさを感じる所。それ以外の加盟申請中の国は、ウクライナ、台湾、コスタリカ、エクアドル、ウルグアイですが、最大の課題は台湾の加盟でしょうね。制度整備等の状況だと、台湾の方が中国よりもはるかにまともだと思うけれど、既に加盟している東南アジアの諸国は中国の影響力が大きいから、加盟承認のために「全会一致」を得るのは難しそう。そんな中でも、TPP担当相が、
「威圧的な対応や法令順守に的確な対応をしていないエコノミー(国・地域)は対象にできない」
と中国を意識した発言をするところに、以前の日本とはちょっと意識というか立場の違いを感じます。これは良い傾向だと思う。
その次に課題になるのは、ウクライナかなぁ。今のロシアとの戦争が終結しないことには、多分加盟承認は厳しいと思うけれど、何らかの形で停戦・終戦となれば、戦後復興援助の形でTPP加盟が認められて行くことはあるのかな。ただ、英国の場合は一応太平洋地域に自国の領土が有るからまだTPP加盟も理解出来る部分は(何とか)あるけれど、ウクライナの場合はちょっと難しい気がする。ある意味、日本がEUに加盟するようなものですからね。 まぁ、南米の国々でも、太平洋に面したコスタリカ、エクアドルは分かるとしても、大西洋側のウルグアイも加盟申請しているわけだから、それを伸ばせば英国、ウクライナも繋がると思うのはちょっと無理があるか。
円安の今、日本国内に仕事を呼び込むことは国際的には有利になるわけだけれど、仕事は来ても国内にはそれを実行する人出が足りていないわけで、円安の恩恵を受けているとは言い難い状況。円高時期に国外に出た日本企業も、昨年辺りから国内回帰の様子を見せているけれど、それだって決めて直ぐに国内に戻れるわけでは無く数年単位の計画と準備が必要。その間に、今の円安が円高に反転する可能性だってあるだろうし、なんと言っても今後人口がどんどん減少する中如何に優秀な人材を発掘するかという事が大きな問題になるんじゃ無いだろうか。海外からの人材誘致が、一番即効性があって良いとは思うけれど、日本の場合そう言う事にまだまだアレルギーのある人が多い社会でもありますからね。まだまだ小さな一歩だと思うけれど、今後の日本の国際社会での振る舞いや国内の発展も含めて、この英国の加入が実は大きな変化の始まりだった、と後年言われる様になるのだろうか。良い意味で、そう評価される将来を期待したいところ。
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