2023年7月31日

見た目重要な時代

フランスに自民党女性局の海外研修で出かけた松川るい議員のSNSへの投稿で、一緒に投稿した写真がまるでフランスに観光旅行に来ているようだと批判の的に。それらに対しての対応にも、例えばDMを公開したり、説明が不味かったりしたこともあり、余り鎮火には繋がらず炎上が続いている様子。 

先ず感じるのは、如何に公務であろうと、後ろめたいことが無かろうと、誤解を招くような写真、うらやましがられるような写真や書込を先ず投稿してしまうのは失敗というか非常識だと思う。実は、私が初めて仕事でアメリカ出張に行く時、事前に所属部門の課長から「海外出張の心得」みたいな話を聞かされました。その中には「海外出張へ行くことは、多くの人から見ると羨ましい仕事なので、余りその事を自慢したり軽々しく言わないように。あくまで仕事なのだから、その事を第1に考えるように」と釘を刺された記憶があります。当時はまだバブルが続いていた頃で、海外出張もそんなに珍しく無かった時代でしたが、やはり誰でも彼でも簡単にいけるような仕事でもなかったので、同期の中でも入社2~3年位で出張を経験できるのは、1割程度。出張機会が多い開発部門でも、2~3割位でしたからね。

実際に出張すれば、日本とほぼ時差が反転している事もあり、寝る間もなく仕事を振られて大変なんですが、他人から見れば「羨ましい」という話に。特に最初の出張先はアメリカでも有名な観光地・避暑地でも無いような田舎だったけれど、それでも「羨ましい」と言われてお土産要求も多かったし。当時と比べて、今では海外出張なんて言う機会は格段に減ってきているし、ましてや公人の場合はそうで無くても色々な批判を受ける立場。何があっても説明できる行動であることは勿論、そういう隙を与えないことが第1だと思います。今回の場合も、何かSNSに公開するのであれば先ずは仕事をしている場面を投稿するべきで、空港での写真等にしても、その団体の何か印になるようなもの(グループ旗とかバナーとか)と一緒に撮影するなりして、とにかく「仕事」ということを意識付けないと、やはり「仕事に託けた観光旅行」という風に回りは理解してしまうでしょうね。あるいは、現地の担当者と一緒の写真を頻繁に公開するとか。言い方は悪いけれど、そう言う「アリバイ工作」は重要だと思う。そんな中で、食事シーンとか移動中のスナップとか、当たり障りの無いものなら、まぁ公開しても良いけれど、観光名所の前での写真は不味いよなぁ。せめて、最終日に「〇〇を見ました」くらいが限界じゃ無いだろうか。まぁ「仕事」で行っているのであれば、やはり公開するべき情報は仕事関係の場面や内容に限定するべきだと思う。

「税金で海外旅行」と憤っている反応も考え物で、国会議員の給料は税金から出ている以上、彼らが何をしても「税金で行動」している事に変わりない。それは、それ以外の公共サービス、例えば警察官だったり、消防署員だったり、場合によってはお医者さんだって保険料が入っているわけだから「税金」が関わっている事に変わりない。しかも、100%税金と言うわけでもなく、その善し悪しには議論はあるけれど、パーティー資金だとか献金だとかという一般収入も含まれるわけだから、例えばその中からの政党助成なら「税金」という事も無い。「自費」と言っても「国会議員給料」は「税金」だから怪しからん、というのも議員前の貯金だとか、議員活動以外の収入も有るだろうし、そこまで目くじら立てる話でも無いと思う。結局は、その行動でどう言う利益が我々に生まれるのか、その結果次第なんですよね。結果を出す事は重要だけれど、そのためには理解してもらえる「過程」もちゃんとしなくてはいけなくて、その点今回の行為は反応は不味かった気がします。見ている方の過剰本能とまでは言わないけれど、でも「見た目気にする」時代でもあることは認識するべきだと思う。

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