2023年7月13日

不信任決議案

昨日夕方のローカルニュースは、川勝県知事への不信任決議案提出をするかどうかの攻防の様子をずっと流していて、深夜に連れ混むことが確実なり私はそのまま寝てしまったんですが、今朝起きてニュースをみたら1票差で不信任決議案は否決と言う、何とも言えない結果に終わったらしい。 

静岡県議会の定員は68名。不信任決議案可決には、3/4以上の賛成が必要とのことなので、51名の賛成がボーダーライン。知事に対しては野党勢力となる、県議会最大勢力の自民党系会派「自民改革会議」所属議員は40名。続く勢力は知事与党の「ふじのくに県民クラブ」で所属議員は18名。「公明党静岡県議団」が5名に、無所属5名という勢力。数字だけから考えると、知事与党の「ふじのくに県民クラブ」所属議員を切り崩さないと不信任決議案は可決できなかったわけで、その部分に関しては知事応援勢力はまだ知事を支持していると言う事か。でもこの「ふじのくに県民クラブ」は、立憲民主党議員2名、国民民主党議員1名、無所属15名という構成らしいので、もう少し何とかならなかったのかと言う気持ちもします。

この不信任決議案の発端は、2年前の選挙の時の「コシヒカリ発言」の後始末に関して何だけれど、それ以外にもリニア問題だったり、これまでの色々なことの蓄積が大きな理由だと思う。だから報道とかだけみていると、以前の「コシヒカリ発言が理由」みたいな伝えられ方をしていて、ちょっと矮小化されているような気もします。そもそも「コシヒカリ発言」自体、自分が推す候補の対立候補の地元農産物を揶揄して「(相手候補の地元には)特産物はコシヒカリしかない」と言った事が始まりだけれど、自身は県知事としてその地元も含めて地域振興や農業支援をしなきゃいけない立場だと言う事を忘れている事が問題。仮に、その地元がコシヒカリしかなくて困っているならば、それに対して対策しない知事としての自分の責任もあるわけで、そういう所もあって予想以上に強い反発が生まれた気がします。それでも、補選では知事支援の候補が当選した事で何となく有耶無耶に終わるかと思ったら、選挙は選挙として知事に対しては厳しい風となり、そこで言ったのが給与の返納何だけれど、結局は言うだけ言って何もしていなかったという事が今回分かってしまった。さらにその理由に関しては、自分の都合の良いような理由を並べたことで、ますます反感を買って今回の不信任決議案提出になったわけですが、可決しきれなかったと言う事が何か県政の闇の深さみたいなものも感じる。

このコシヒカリ発言や、その後の給与返納もそうだし、長引くリニア問題、水問題もそうだけれど、自分の考えを気まぐれで発言をするだけで、何か解決しようという意図が見えないことが、この人に対しての最大の問題だと思う。リニアの水問題にしても、以前は知事と流域自治体首長と足並みが揃っていた気がしますが、最近では知事と対立する構図に成りつつあるように感じます。以前はJR東海側が楽観的に考えていて、余り熱心に知事対策をしなかったこともあると思うけれど、2027年開通が絶望的になりやっと真剣に考えるようになって、流域自治体も譲歩する余地が生まれつつ有るのに、知事だけは頑なに持論を曲げないというか、ゴールが見えないんですよね。自身では、リニアの応援団だとか、リニア開通を望むと言いながら、そのために必要な作業なり交渉材料が見えない。大井川の「命の水」という主張は分からないでは無いけれど、その理由なり懸念なりが段々と変節しているようにも感じられていて、今では彼の主張の信憑性というか意図が分からない。強いて言えば、リニア問題を解決させないことが使命のようにも見えるんですよね。そう言う意味では、これまで知事支持派だった人達も、知事の脈絡の無い話に「支持疲れ」を感じ始めているんじゃないだろうか。川勝知事の任期は、2025年6月迄なので、まだあと2年こういう状態が続くのかと思うと、今回の「1票(1名)の差」が予想以上に大きいものに感じますね。

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