Impress Watchに掲載された、鈴木淳也氏の記事。健康保険証のマイナンバーカードへの統合に関して、メディアやネットで散見される誤解に対して、技術的に(私的には)分かりやすく解説している記事だと思う。 詰まるところ、
この分野における各メディアでの報道内容やSNSでの反応を見る限り、認識不足や多数の誤解が含まれていると感じることが多い。
が、このマイナンバーカードに関わる諸問題の根源であり、最大の課題でもあると思います。今批判されているマイナンバーカードと健康保険証の紐付けの間違いだって、その健康保険証自体年間600万件余りの誤りや不正使用が発生していて、そのための経費が1000億円を超えるという研究結果もある事に比べたら、マイナンバーカードとの統合で得られる利益の方が、現在の混乱も含めてもより大きな利益になると思うのだけれど。
自分なりに、色々な形で理解しようとしているわけですが、細かな技術的実装方法等は別にして、大まかな認識では鈴木氏の解説が腑に落ちるし、自分の理解と同じだとも思う。言ってみれば、
- 「マイナンバー」は一人一人振られた固有の識別番号
- 「マイナンバーカード」は、「マイナンバー」やそのマイナンバー保有者の氏名、生年月日、性別、暗証番号、顔写真データがICチップに保存されているもので、カード内にそれ以外の情報は含まれていない
- マイナンバーカードは、マイナンバー、暗証番号、顔写真の要素で本人認証(2要素認証)するIDカード
- 紐付けられる、例えば運転免許証や健康保険証は、その内容ではなくそれぞれのアカウントをマイナンバーがポイントするだけ
- 今後想定されるサービスとの紐付けも同様で、その個人情報がマイナンバーカードに含まれることは無く、ポインターが増えて行くだけ
今回の鈴木氏の解説は、どちらかと言えば技術系のサイトに掲載されているので、多分多くの人には閲覧されない状態。著名な人が引用したりして、それなりに拡散するだろうけど、それでも今疑問を感じている人や疑惑を言っている人達には伝わらないだろうし、ここに書かれていることをそのまま彼らが見ても多分理解出来ない(技術的知識や経験が無いと実感しない)部分も多いでしょう。そういう所を、例えば全国紙の技術系記者が咀嚼して記事化するとか、雑誌や週刊誌が身近な例を示しつつ、ここはこうなる、こちらはこう変わる、というストーリーを掲載することが、本当の意味での「丁寧な説明」になると思う。でも、それは彼らからしてみたら敵に塩を送ることになるので、何があってもやらない・やりたくない行為なんでしょうね。本来ならば、自分達の主義主張とは別に、読者なり受益者の最大利益を目指すのが企業の、特にメディアの役目だと思うけれど、どんどん自分達の主義主張を押しつける存在に、今の多くのメディアは変化して行っていると思う。それって、「メディア」と言いつつも単なる宣伝機関なわけで、フィクションの小説をノンフィクションの事実と言って本を売るような欺瞞行為だと思う。それでいて、大手新聞社などは、軽減税率適用を受けているわけですからね。で、本業以外の不動産経営などでは大きな利益を上げている訳で、まずはその利益をメディア活動に還元する方が先だろうと思う。マイナンバーみたいなものを個々の企業にも割り振って、営業から納税まですべて分かるようにして見たらどうだろうか。あるいは、国会議員なんかも議員としてのマイナンバーを発行して、議員活動に関しては全てのそのマイナンバーの元に行い、支出や収入等すべて自動的に公開されるようにしたらどうだろうか。公的活動なんだから、何の問題も無いと思うけれど。
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