2023年7月1日

マイナンバー制度を否定しないマイナカード否定派

「マイナンバーカード(マイナカード)返却運動」が、一部の人達の間でブームになっているみたいで、来年統合が予定されている健康保険証や運転免許証に対して、マイナカードを返却して健康保険証や運転免許証を死守しよう、みたいな話になっているのは何か滑稽さすら感じてしまう。統合されるのは「システム」であって、そのシンボルとして「マイナンバーカード」という物理的カードが存在するわけだから、本当に統合に反対するのであれば、反対するべきは「マイナンバー制度」であって「マイナンバーカード」じゃないはず。

私は統合には賛成で、さらに言えばもっと色々な物を統合して、必要な公的手続きや処理がワンストップで完結するシステムを作ってほしい事は以前から言っている話。健康保険証に運転免許証の次は、是非パスポートも統合して欲しいけれど、これは国際的な取り決めも必要なのでかなり難しいとは思いますが。それ以外だと、技能試験や国家資格などの資格保有証明とか免許証南下もマイナンバーカードに統合して、例えば仕事をする時にそれぞれの資格毎に免許証を持ち歩かなくても良いようにして欲しいなぁ。マイナンバーカードがスマホのアプリかされたら、例えばアプリ上では、そこに統合されている資格や免許の一覧が参照出来るようにすれば、カード一枚でも複数の資格や免許を簡単に確認出来るだろうし。あと、マイナンバーカードに統合するのは良いけれど、そのカードを無くしたら困るだろうという話の対策として、スマホに自分のマイナンバーカードの秘密鍵みたいなものを保存しておいて、それを利用するとマイナンバーカードの再発行手続きが簡単にできる、みたいな事は出来ないだろうか。マイナンバーカードのコピーがスマホの中に入っているのだから、そのスマホを市役所に持っていけば、その場で再発行できるようになれば、今は再発行までに10日とか1週間と言われている処理時間が凄く短縮できそう。

マイナンバーカードと健康保険証の統合に関しては、勿論様々問題があることも事実で、その一つを取り上げている東京新聞の記事。「病院」の中にもピンキリあるわけで、その中には個人商店では無いけれど、地元の小さな病院医院もまだ多く、そう言う医院では統合化に向けたマイナンバーカード対応システム導入もままならないという話。それはそれで大変だと思うけれど、多分全体から見たらそんなに多い事例では無いと思うんですよね。こういう場合にありがちなのは、そういう少数のために多数の利益が損なわれることの是非だと思う。今回の場合も、東京新聞は小さいけれど地域に密着した「かかりつけ医」が消えると言っているけれど、彼らの仕事はそういうノスタルジーを煽ることでは無いはず。そういう中小の医院向けの支援を政府は手厚くするべきだ、とか、新規のシステムに移行出来ない規模、経済的理由、人的理由があるような病院・医院をまとめ手面倒見てくれるような代行システムみたいなものを暫定措置として準備させるとか、そういうアイデアもあるはず。でも、彼らの記事を読んでいると、そういう弱者を盾にして自分達の意にそぐわない政策を批判したいだけのように感じる。

マイナンバーカードへの様々な制度・免許などの統合には、確かにまだまだ課題もあるし直ぐに移行出来ないものも多いとは思うけれど、紙で管理するしか無かった時代から、今ではネットやDBで物理的な距離や手続きを経なくても、より効率的な管理と運用が可能な時代なわけです。「消えた年金」の時に分かったように、紙ベースでの申請は記入間違いや書き文字の違いなど、想定外の事が色々あって記録の不一致が発生して居た事が原因の一つ。今回だって、住所の記名方法が幾つもあるので、紐付けが難しい事が分かっているわけで、だからこそ今全部の情報を一度棚卸しをして整理する絶好の機会だと思うんですよね。その間の不便だとか、万一の場合の支援方法に関してだからこそ十分に考えて準備しないといけないのに、「面倒だから止めよう」では何も進歩しない。一枚のカードだと無くした時に心配と言うけれど、複数のカードであっても一つの鞄に入れて持ち歩けば全部一度に紛失するリスクは有るはず。情報漏洩が心配というけれど、クレジットカードだとか宅配物郵便物の宛名書きだとか、さらにはネットでの情報漏洩だとか、リスクはどこにでも存在するし最後は本人の気持ちと行動次第なんですよね。だから、「マイナンバーカード」を否定している人は実はよく理解せずにそう言う事を言っているだけ。本当に否定したいなら「マイナンバー制度」自体を否定しないと。で、マイナンバーカード否定派は、後からカード取得するのも恥ずかしいので、自分のマイナンバーと暗証番号を書いたメモを持ち歩き、それを無くしてトラブルに遭遇する、というゴールが待っているのだろうか。それはそれで、自分達でその分のコストとリスクを担保してくれるならご自由にどうぞと言いたい。


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