2023年6月26日

解決していない争い

訳の分からないうちに勃発し、何か理解する前に終わってしまった「ブリゴジンの乱」というのか、何というのか。「反乱」と言ってもいいような行動を起こした民間軍事組織「ワグネル」の部隊は、そのままお咎め無しで元の戦地へ復帰し、首謀者のブリゴジン氏は、隣国ベラルーシへ移動(という名前の「亡命」?)する事で、こちらもお咎め無しという結末に。戦闘らしい戦闘は無かったと言われているけれど、ロシア軍側はヘリコプターと航空機が複数基撃墜されており、ロシア軍としては「お咎め無し」のこの裁定には大いに不満足では。

元の戦地へ戻るワグネル軍にしても、協力してウクライナ軍に向かうロシア軍にしてみたら、これまで以上に信用できない「背後の虎」になりかねない存在という認識は更に強くなったのでは無いだろうか。ワグネル軍にしても、以前の状態に不満があるから反旗を翻したのに、結局何も解決せずに元の状態に戻されるわけだし、逆に条件としてはさらに深刻になっているのでは。ワグネル軍とロシア軍が一つの部隊・地域でこれまでも戦うことは無かっただろうけど、今回の件でますますその境界の溝は深く広くなった気がする。何かの切っ掛けに、前に向けていた銃口を、左右に振って互いに打ち合う事態も、もしかしたら発生してしまうかもしれない。

よく分からないのは、今回の首謀者であるブリゴジン氏の処遇で、車でどこかに出た後の消息が今の所不明らしい。ベラルーシへ行ったなら、その旨報道があるだろうけどそれも無い。実はプーチン大統領が暗殺指令をだしたとかいう物騒なニュース も今朝の時点で流れてきていたりして、複雑怪奇な国際社会それも世界でも先の見えない社会の一つロシアが絡むだけに、もう何があっても驚かない気がする。また、今回名指しされたロシアのショイグ国防相も未だに行方不明という話も流れているようで、何かロシア軍やロシア政府の中で混乱しているような雰囲気も感じられます。でも、定点ウオッチしてる軍事専門家の人達も、今の所は暫く様子見という状態らしい。

今回ネットでは色々な意見やコメントが出ていたのだけれど、ロシア軍が進軍してくる中キーウに止まり映像で国民を鼓舞したゼレンスキー大統領に比べて、一次はモスクワからサンクトペテルブルクへの避難報道も出たプーチン大統領に対して、幻滅する空気が生まれたことは確かな気がします。国内の調査では、今回のウクライナ侵攻を指示するロシア国民は多数だったけれど、投票行動とは裏腹に気持ち的には疑問を感じていた人は多かったんじゃ無いだろうか。それが、今回の騒動もそうだし、それに対してのプーチン大統領の対応に幻滅して、さらに長く続く戦争に厭世観を感じる人も増えて、もしかしたら具体的な反戦行動や意見がこれから増えてくるかも。専門家でも無い自分は、ただただ今後の行方を見ているしか無いのだけれど、今回の件が何らかの形でロシア軍の崩壊とは言わないが脆弱性に繋がり、ウクライナ側が優勢な状態で争いが終結する事を祈りたいですね。そのためには、まだまだ時間と人の命が必要な事は問題だけれど。

0 件のコメント:

コメントを投稿