2023年6月12日

埼玉騒動

埼玉県で発生した、水着写真撮影会の突然中止の件。一旦中止になったものの、その後埼玉県知事が自らが出した一律中止を、法令違反の無かったことが確認された管理者に関しては一部撤回する事を表明して、先ずは最低限の部分は担保されたようだけれど、今回の様子を見ると何か裏にあるんじゃ無いかと言う疑惑という疑念を禁じ得ない。

一連の流れに関しては、Nathan氏の記事がまとめられていて分かりやすいのでお借りするとして(その1その2その3)、これらの情報を見る限りでは、過去の違反例を隠して申請していたような「ルール違反」の場合を除けば、特にその内容に問題があるとは感じられない。ネット等の様々な意見を見ていると、状況に関してよく知らないで延髄反射している例も多くて、例えば「〇〇公園」という名称から公園内で撮影していると勘違いしているけれど、会場はどこもプール施設なのでそこで水着になる事には問題無いはず。また、一般利用者も居る中撮影するのは怪しからんみたいな意見もあったけれど、施設はまだオフシーズンで一般開放されて折らず、貸し切り状態でのイベント開催という事だからそれも問題無いはず。「未成年の参加者が居る」という部分は確認しないといけないけれど、開催者側は過去にはそういう事例が有ったかもしれないが今回はそれは無いと言っているので多分問題無いでしょう。唯一疑問というか問題なのは「過激なポーズ」が有ったという部分。何をもってして「過激」と判断するのか、その判定基準には疑問が残ります。人によって、水着姿であることも過激だろうし、より露出度の大きな水着を着用していても、それが水着であり患部を隠していれば「過激」とは感じない人も居るだろうし。

この撮影会が、例えば水着とは関係無いような公共施設、例えば市役所だとか、屋外の公園施設みたいな場所で申請された、と言うのであれば、それが貸し切り状態で一般利用者との混在が無くても、その施設の目的だとか威厳だとか色々な理由で申請が受け入れられない事があるのも、それは仕方ないと思います。それよりもオフシーズンのプール施設で、貸し切り状態での水着モデルの撮影会と言う、特に問題無いと思われる状況に関して、わざわざ過去の事例まで引用して中止要請するような「一般市民からの要請」がある事の方が、個人的には珍しいというか驚きだし、それに呼応するように共産党議員達が直前に中止要請して、それを手柄のように勝ち誇る様子の方が怪しい気がする。その共産党議員達は「性の商品化」は許さないと言うことで中止要請したらしいけれど、それを言うのであれば例えば風俗とかもっと問題視されるべき事柄はあるわけで、それらに関しては今回以上の対策が必要なのにそれを言わないのは何故だろうか。さらに言えば、「水着」では無いだろうけどそれに近いコスチュームで街中を更新するような、例えば「浅草サンバカーニバル」みたいなものだって同じように思うだけれど。あるいは、最近話題になることが多いLGBT関係のパレード、所謂「レインボーパレード」とか「プライドパレード」の様子を見ると、やはり「性」に対しての要求だからか、同様のパレード等と比較して開放的な衣装や過激な様子になりがちな気がするんですが、共産党はそういうイベントには前向きなのは矛盾しているのでは。

今回の話を聞いて思い出すのは、少し前に名古屋であった「あいちトリエンナーレ」での「表現の不自由展」開催に関しての騒動。どちらも公共の場での表現の自由の問題である事は変わりないと思うのだけれど、当事者の一人である津田大介氏がツイートで、今回の埼玉県の判断は当然みたいな反応をして、それに対して自分達の件と正反対の意見に批判も多いみたい。彼のイベントの場合は、公共施設利用というだけでなく公金による補助が入っていたことに加えて、申請時に本来の展示内容・目的を隠して申請して受理されていたという二つの部分が、今回の撮影会の件とは大きく違う部分。問題点の大きさで言えば、自分達の目的のために手続きに不正があったと言われているような事案に比べて、今回の撮影会は行動の利用、ビジネスの理由、費用減の自由等、もっと大きな問題にも関わるわけで、そう言う意味では格好悪いですよね。あえて何も言わないか、あるいは「表現の自由はできる限り守られるべき」とでも言えば、どちらにとっても角は立たないし自分のプライドも守られたと思うのだけれど。埼玉県知事が、一旦だいした中止要請を一部とは言え撤回した事は大きいけれど、実際に被害に遭った開催者への保証だとか、場合によっては共産党による政治的な圧力とも言える話にもなるわけで、その当たりはしっかり確認しないと、第二第三の「埼玉騒動」が生まれる可能性も。それも新しい社会認識が生まれる産みの苦しみなのだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿