日本の電力問題に関しての三部作の記事(一部、二部、三部) 。どの発電方法が良いとか悪いとかでは無く、置かれた状況や環境、あるいはその時のコストや技術等、最善策を一つに決めるのでは無く、最適なものを臨機応変に活用しようという話だと私は理解しました。まぁ、普通に考えたらそうなりますよね。
東日本大震災で福島第一原発の事故が発生し、それによってそれまでの「原子力神話」みたいなものが崩れてしまったことは仕方ないと思う。けれど、そこで突如登場した「太陽光発電」を中心とした「自然エネルギー」や「再生可能エネルギー」を、逆に持てはやしすぎだとも思う。こういう話になると、欧州の事例特にドイツの事例が例として語られるけれど、欧州の場合は相互に国際的な電力網が繋がっているわけだし、ドイツが原子力発電を全廃したと言っても、隣国のフランスの原発で発電した電力を必要ならば入手出来るわけだから、日本の状況とは全く違うわけです。日本の場合は、日本以外の場所から電力供給を受ける方法は無い訳ですし、自分達が必要な電力は100%自分達で発電しないといけない。その違いを認識した上で、日本の最適解を見つけなきゃいけないのに、今の議論は「反原発」とか「反太陽光発電」みたいな極論同士での議論しか登場しないから、いつまでたっても現実は改善しないんですよね。
太陽光発電に関して、記事の中ではメリット・デメリット解説されていますが、個人的に一番問題だと思うのは、太陽光発電普及のために様々な補助や支援策が提供され、その為に国内の至る所に乱立し、それが二次災害を引き起こしていること。浜松などのように、使わなくなった昔の養鰻池を埋めてその場所に太陽光発電パネルを設置するとか、ゴルフ場のように既に開発済みの場所にやはりパネルを設置するのは土地の有効利用と言えると思うけれど、太陽光パネル設置のためにわざわざ山の斜面を開拓して、無理矢理設置している場所が問題になっています。原子力発電所等が筆頭だと思うけれど、火力発電所(石炭、LNG含む)にしても水力発電所にしても、そういう設備を建設するためにはかなり長い時間を掛けて地盤調査とか環境調査をして、問題が無いことを確認して初めて建設出来るわけです。でも太陽光発電の場合は、よほど大規模なものはそう言う手続きも必要だと思いますが、そこそこの規模のものだとかなりいい加減な工事で設置してしまうケースもよく見聞きします。台風や大雨の影響で、そういう場所で土砂崩れが発生して被害が発生している例もあるわけで、私はああいう部分をもっと厳格にするべきだと思います。
個人的には、現状はやはり原子力発電でベース電力を確保し、コスト高な火力発電は出力調整分だけに出来るだけ下げて電気料金を下げる努力をする事で、経済の活性化=社会生活の安定をまずは進めるべきだと思う。そこで余裕が生まれれば、今の再生可能エネルギーに対して投資する余裕も生まれてくるだろうし、今のように乱開発みたいな状態では無く、例えば離島とか過疎地域みたいな場所、あるいは大規模な工場や事業所での活用みたいな事なら十分に実用的なのでは。例えば大規模な事業所での自家発電設備と太陽光発電を組み合わせて、効率的に低コストでの電源供給なんてのも可能何じゃ無いかと思う。さらに言えば、原子力発電の運用に関してはこれまで以上に規則が厳しくなり審査にも時間が掛かっているのですが、あの中でのテロ対策に関しては期間を限定して別立てで評価する必要が有るんじゃ無いかと思うんですよね。設備の安全性というもの(電源喪失時の緊急対策とか)とは十分にすれば良いけれど、テロ対策というのは設備機能とは別の話だし、原発以外でも大規模な設備にも同じ事は必要なはずですよね。何が良くて何が悪いという単純な話では無いのだから、この記事のような冷静な議論をして、ベストだけを追求するのでは無く、ベターな解決策が適時提供出来る環境をみんなが考える様にしたいですよね。それは、この電力の話だけでなく、今色々な場所で議論になっているような、例えばLGBTQ+とかそう言うものでも同じだと思うなぁ。
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