私が、新型コロナウイルス関連情報に関しては信頼出来るソースの一人と考えている、沖縄県立中部病院の高山義浩医師の記事。マスクの効果に関しては、感染初めの頃から現在に至るまで、その効果を認めるものから認めないもの、さらには「マスク陰謀論」みたいな極端なものまで、数限りなく出されてきました。マスクをしても呼吸が可能なわけだから、マスクが完全に感染を防ぐ手段で無い事は確か。ただ、吸い込む空気の多くの部分はマスクの不織布部分を通過するわけだから、飛沫感染や場合によってはそれよりも小さなエアロゾル感染であっても、フィルターで防ぐことが出来る可能性もあるのだから、それによってリスクが低減されることは事実。それよりも、感染者が自分のウイルスを周りに拡散させないために、口を覆うことはより効果的なわけで、そちらのマスクの効果の方が大きいことはちょっと考えてみれば理解出来ると思います。だから以前から言われているように、マスクの効能に関しては、まず意識的・無意識の感染者からの拡大を防ぐことが最大の目的で、感染を受けないような防御手段はその次と言う事。だからこそ、マスクをしていても手洗いやうがいの励行に三密回避という「防御対策」の併用が重要だったわけですし。
マスクに限らずありがちな話なんですが、マスクをしても100%感染を防げないのだからマスクは不要みたいな極端な反論をする人が居ることがよく分からない。そんなことを言い出したら、食べるもののリスクだって有るだろうし、生活していく上では火事や地震に遭遇するリスク、外に出かければ交通事故や電車事故等、リスクばかりの中で自分達は生活しているわけです。そんな中で、火を通して調理するとか、火災報知器を設置するとか、交通ルールの設定や運転免許制度で一定の技能を利用条件にするとか、リスクを低減しているから自分達はそう言う事に対しての不安を暗黙的に回避することが出来るわけで、マスクもその一つの手段なわけですよね。だから、三密回避の対策も必要だし、ワクチン接種も必要だし、そうやって複合的に対策して出来るだけリスクを低減させる努力をこれまで続けてきたわけです。
それは、良くも悪くも日本人的な気質の影響もあると思っていて、やはり「みんながやるから自分も」という意識から、いったん「マスク」と言われれば一斉にマスク着用したからこそ、日本の新型ウイルス流行も世界の中で見れば厳格なロックダウンなど無いのに、かなり効果的に乗り切れたと言えるでしょう。逆にそれもあるから、マスク着用が「個人の判断」と変更されてからも、なかなかマスクを外すことが出来ない事は、それはまた別の問題だと思う。時期的に花粉症の時期に遭遇していたこともあるので一概には言えないけれど、やはり長いことマスク必須の生活が続いたから、これをまた元の状態に戻すのは大きな切掛や時間は掛かると思います。その一つは、やはりG.W.開けの5類移行だと思うし、このG.W.中に観光地等に出かけて、そこでマスクを外す開放感を経験したら、G.W.明けにはこれまでよりはマスク着用の時間を短くしたり、外すことを前提にして、記事にも書かれているどうしても必要な三つの場合(症状を感じた時、医療機関や高齢者施設等リスクの高い場所に居るとき、密集した様な場所を利用する時等) には、まだまだ継続が必要でしょうね。じゃぁいつまで続けるのかと言われれば、少なくとも新規陽性者数の数が全国で100人/日を切るくらいまで減少し、重症者数や死亡者数が0かせいぜい一桁程度になるくらいまでは、そういったリスクの高い場合にはマスクはするのが「これからの社会マナー」になると言っていいのでは。
そんな状況も、例えば3番目のケースではマスクでは無く、必要に応じてハンカチなどで口元を覆う等の行為に変わっていくかもしれないし、2番目のケースでは逆に今後の新しいマナーとして新型コロナウイルスに関係無く病院や高齢者施設に入る場合には、マスク着用が常識になるかもしれない。それによって、実はこれまで目に見えていなかった「隠れ感染」みたいなものが劇的に減るようなことも生まれるかもしれない。1番目に関しては、これまでも多少熱があっても仕事を休めない、学校を休めないという変な「倫理観」が日本人に根付いていたけれど、今後は「おかしいなと感じたら積極的に休む」という新しい社会習慣に繋がれば、それはそれで日本人の生活品質(QoL)向上になるわけだから良いことなのでは。マスク自体は、日本人なら日本の社会生活の中では普通に使用するもので、ただこれまではインフルエンザ対策風邪対策で冬の時期に使うものという意識が強かったけれど、それが少し変わってくるだけの気がします。とは言ってもこれからの季節マスクがあるのは不便だし場合によっては呼吸が苦しくなるなど健康被害にも繋がる可能性もあるわけで、出来れば無い方が良い。マスクを過信する必要は無いけれど侮ることも避けるべきで、要するに如何に効果的な手段を効率良く利用していくかと言う事だけなんですよね。1か0かの二択論に陥りがちだけれど、「よい塩梅」を見つける事が一番だという事をもっと認識するべきだと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿