岸田総理に対しての襲撃事件で、その様子が段々と分かってきたんですが、聞けば聞くほど幸運が重なってあの程度の被害で済んだんだなぁと思います。自分なりに分かったことは、
- 使用された手製爆弾は、導火線で着火・爆発するものだったようです。そのため、容疑者が導火線に火を付けていた所を、近くにいた「赤い袖の漁師さん」が見とがめて問い詰めたために、かなり早いタイミングで投げつけたらしい。それが、爆発まで51秒も間が開いた理由らしい 。もし、もっと爆発までの時間が短ければ、岸田総理もまだ近くにいたかもしれないし、それ以上にまだ爆発物近くにいた群衆に対しての被害が多く発生したんじゃ無いだろうか。
- 使用された手製の爆発物は、どうも製造精度が低くて本来の威力は発揮できなかったらしい。特に、白煙が最初に出たのは、両端を閉じている蓋の部分の加工精度が甘くて密閉されておらず、それで中で発生したガスが露出した結果らしい。それ故に、爆発力も小さくなり、被害範囲も小さくなったらしい。
- とは言っても、先端部分の一つと思われるものが、60m程後方のプレハブ小屋にめり込んでいたようで、不完全ではあったけれど、爆発力に関してはそれなりに威力が有ったことは事実。で、それだけ威力のある物があれだけ回りに居た人に当たらずに空中を飛翔してプレハブ小屋に衝突して止まったことは、これも幸運の一つと言っていいんじゃ無いかと。
- 通常この手のパイプ爆弾には、殺傷能力を高めるために中に釘だとかパチンコ玉とかを挿入して使用するらしいけれど、今回はそれが封入されていなかったらしい。それ故に、爆発してもそういう異物が四散することが無く回りに対しての被害も殆ど無い状態であったことは、これも幸運だったと言って良いのでは。
- 容疑者は少なくとも二つ目の爆発物も準備していて、タックルを受けたときにはそれを手に持っている映像も流れていたのですが、直ぐさま複数の人間が彼の行動を阻止したことで、それらが利用されることは無かったこと。また、ナイフなども所持していたらしいけれど、それら凶器物も使用されること無く身柄が確保された事も不幸中の幸いと言えるんじゃ無いかと。
昨日当たりも、朝から夜まで、ワイドショーやニュース番組で何度も取り上げられて、容疑者の生まれ育ちだとか犯行背景等の話をしているけれど、とうとう安倍総理事件を参考にして今回の犯行に及んだという話も出てきているようで、結局は前回の事件におけるメディアやその行為を「是」として発言していた一部の人達の責任が大きいと改めて感じます。過去の経験から言えば、こう言う衝撃的な事件が発生すると、それに刺激を受けた模倣犯(今回の容疑者も、前回の事件の模倣犯みたいなものだけれど)が直ぐに生まれる可能性は高いと言えるでしょう。その場合には、今回の様な幸運が重なるとは限らないわけで、そう言う意味でも選挙中ではあるけれど要人警護を厳しくすることを優先したり、安全の確保を少なくとも今回の残り選挙期間の間は最優先にするくらいのことは必要では。また、選挙演説等に参加する有権者に対しては、異変を感じたら直ぐにその場から離れる、地面に伏せるなど姿勢を低くする、遮蔽物の陰に隠れる、等の津波対策とか地震対策と同様のガイドを、メディアは今一番流すべきだと思う。そうでは無く、容疑者の生活環境がとか幼少期の性格がとか言っているのは、自分達のビジネス目的でしかないと言ってよいでしょうね。
考えてみたら、容疑者の心情とか犯行に至るまでの背景や経緯なんて言うものは、数日とか数週間程度では解明されるほど単純では無いでしょう。それなのに、何か新しい情報を出さないと視聴者や読者が離れるからと毎日小出しにするような報道をしているのは、正直犯罪行為に近いのでは。例えば、レストランがまだ調理途中のものを出したらお客さんは怒るでしょう。自動車メーカーがまだ製造中の車を販売したらクレームでは収まらないでしょう。それと同じ事を今のメディアはやっていると思う。事件に関しての報道でも、例えば容疑者が移送されたとか、弁護士と謁見して何か意見を述べたとか、そういう進捗状況を伝えるのはリアルタイムでも良いと思う。でも、犯罪の背景だとか考え方とか、そんなもの本人が何も言っていないのに回りの意見だけで構築したら、正しいなんて言う保証は全く無い。そういう無責任な行為は今に始まったことでは無いけれど、良くも悪くも生の情報がどんどん入ってくるネットの時代においては、既存メディアは自分達の取材から構築した記事の付加価値を高めるべきで、兎に角何でもかんでも報道すれば良いみたいな、言ってみれば薄利多売みたいなことをやっていては、結局自分で自分の首を絞めるばかりだと思う。それならそれで、メディアが淘汰されて本来の報道活動をしてくれるメディアだけが残るならば良いけれど、やっぱり「悪貨は良貨を駆逐する」になりそうだなぁ。
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