2023年3月5日

火に油をさらに注ぐ東京都とColabo

東京都に対して出されていた住民監査請求の回答が公開されましたが、そのなぁなぁな内容に、再び火に油を注ぐ結果に。Nathan氏のまとめ記事が関連情報へのリンク集として便利なのでお借りすると、申請内容に一部不適切な部分があり最終的に、190万円の経費に関しては不認定と判断されたが、東京都からの委託金2600万円に対して、委託先のColaboの依託事情での支出が2710万円と委託費を上回っていたので、過払い状態では無く返還を求めないという、何とも都合の良い内容。言ってみれば、わざと190万円の問題点を指摘して都側が監査している感を出しつつも、結果的にはお咎め無しと言う実利は変わらない。悪い意味で、東京都としては自分達や委託先に疵が付かないように、互いにちょっとずつ反省はしました、でも実質問題ないからお咎め無し、てへぺろ、みたいな感じ。

その検証内容も大甘な状態なのに、それでも190万円の支出は「不適切」と判断しているわけで、じゃぁ本来有るべき要に厳密に評価したら、一体幾らの支出が不適切と判断されるのだろうか。一番の問題なのは、団体(=Colabo)側が支出の根拠となるべき領収書の提出を拒んでいて、しかも東京都側もそれは委託事業の仕様書の規定に反していると言っているのに、不問に付していること。普通この手の公の申請物って、それこそ1円の単位まで精査されません? 確定申告だって、こんなこと言われませんよ。普通は、団体側が「領収書開示できません」と言ったら、その分全て対象から外すべきでは。これだけでも、東京都とこの団体の間に、何か特別な関係があるのかと「誤解」されても不思議は無い位の特例措置だと感じます。

開示された部分に関しても、支出内容や金額が監査中に二転三転したり、支出として過剰な金額だったり委託事業外の支出が含まれている可能性も見られたりと、素人の自分が見ても公の監査に耐えうる内容とは思えない。しかも、委託事業であるから本来の事業主は東京都であり、そう言う意味では団体側の行動は全て東京都の物でも有るのに、何故か団体側の方が地位的に強くて東京都に対して強気に出ている雰囲気すら感じられます。これ、一般の作業で業務委託とかとかやっていて、その委託先が「勤務履歴、出しません」とか「使用経費の領収書、出しません」とか言ってきたら、即契約解除の案件ですよね、普通は。

今回は、監査請求に対して東京都(の当該部門)が監査結果を出しただけで、これからその内容を監査委員会がその内容を精査して、更なる請求をするか判断するらしいけれど、これがこのまま終わったらもう行政監査なんて信じられないですよね。大体、監査請求だって殆ど受け付けられることが無いもので、だからこそ昨年受理された時にも大きな話題になったくらい。受理だけでもそれだけ厳しいのに、いざ受理されて精査したらそれとは反対のこんな甘々な内容で良しとされたら、受理のルールだって変えなきゃと思うよなぁ。入口がそれだけ厳しいのであれば、出口だって当然同等以上の厳しさで望まないと、その仕組み自体の意味が無い。今回の場合も、その活動団体の目的趣旨は弱者救済として意味がある物だとは思うけれど、それを理由にルールを逸脱した行為があるから、多くの批判が集まって居ると思います。事業は決して免罪符でも無制限の権利では無い。今回の件では、同様の活動をしている他団体や同じように資金難に苦労している団体からも疑問が多く出されているけれど、結局はそういう業界というか全体に対しての迷惑行為をしている事を、当該団体も東京都も、もっと認識するべきでしょうね。

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