2023年3月26日

スモウフットボーラー

現在カナダで行われている、CFL (Canadian Football League)のGlobal Combine.  日本からは4名の選手が国内選抜をへて参加しているのですが、その中の一人が大学アマチュア相撲横綱であった、日本体育大学の花田秀虎選手。まだ大学3年生(新4年生)なので、CFLのドラフト権はないのですが、その素質を見込まれて特例として参加しているもの。昨年のXリーグ合同トライアウトに参加して、当時も大きな話題になったんですが、その後相撲からアメフトに本格的に転向して、この一年間個人練習などを進めているところ。

向こうでも「スモウレスラーがアメフト挑戦」という事で、結構話題になっている様子。実際、実力的にもそこそこ持っている花田選手なので、措定種目やプレーでも非凡なものを見せていることも事実ですが。そんなこともあって、参加している4人の中でも一番twitter等でもCFLが取り上げて居るように見えるのですが、その中での1-on-1と読んでいる、DL(Defense Line)とOL (Offense Line)同士の対決練習。DLを希望している花田選手が、OL選手のブロックをすり抜けて、その背後に居るであろうQB (Quarter Back)にラッシュするというもの。 動画では、相手に当たった瞬間にクルッと一回りして中に入っていますが、これは「Spin Move」というDLの基本的な技の一つですが、ここまで綺麗に決まることは余り無いもの。力対力で相手に勝つのでは無く、相手をいなして勝つ行ってみれば「技」の勝利みたいなもの。こう言う高度なテクニックを、スモウレスラーが見事にやってのけるという事で、かなり話題になっている様子。

ただ個人的に気になるのは、やはり彼のサイズの問題。プレー前に相手OLと対面した時にも身長差を感じるんですが、プレー終了後元の位置に戻ってきて、ライバルでもある他のDL選手達に迎えられる時、やはり身長差が目立ちます。花田選手のサイズは、身長185cm、体重125kgと、国内のチームだとDLとして十分なサイズだけれど、NFLは勿論CFLでももう一回りサイズアップ、特に身長についてはもう少し上背が欲しいところじゃないだろうか。個人的には、もう少し体重を100~110kg代位まで絞って、LB (Line Backer)になれば、CFLでもサイズ負けせずに戦える選手になれそうな気がしますね。その分、前後左右への運動量やスピードも増えてくるので、それに対応出来る体力は今以上に要求されることになると思うけれど。あと、LBは「ディフェンスのQB(=守備の要)」と言われていて、体だけで無くフットボール頭脳も要求されるポジションなので、その点どれだけ成長できるかも大きな課題かも。そこには、英語でのコミュニケーション能力も含まれるので、単に英語が出来るだけで無く、スラングとは言わないけれどちょっとした事をぱっとその場で言語化できる力も必要。花田選手自身は、英会話能力の勉強も並行してやっているそうですが、そういう環境が国内では絶対的に不足していますから、どれだけ伸ばせるか。

残り3人の参加選手もそれなりに存在感を見せて入るらしいけれど、公開されている映像を見る限りでは、正直なところ迫力等の「地の部分」の差みたいなものを感じますね。ワンタイムのプレーだと、相手を凌駕することも出来ているんだけれど、それを試合の最初から最後まで継続出来る「地力」みたいな強さを感じさせないと、なかなか日本の選手を取ろうという意識をCFL側に植え付けることは難しいんじゃ無いだろうか。とは言っても、CFLのチームと契約して試合にも出場している選手も居るわけで、決して無理な話では無い。でも、国内リーグではトップクラスの彼ら選手であっても、今のCFLでも3本目、4本目的存在である現実も受け止めるべきで、やはりこういうセレクションでは圧倒的な存在感を見せつけるくらいの力の差が無いと厳しいかなぁ。ただ、野球と同じで、年々その認知度は上がってきているみたいだから、先ずは今あるチャンスを確実にものにして、次のステップに足を進めて欲しいですよね。

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