2023年3月20日

小西文書の出所

今日辺りもしかしたら何か動きが出てくるかもしれない、所謂「小西文書事件」。個人的に気になっていたのは、やはり元データの出所。過去の流れを見ていると、どうも小西氏の所には印刷物として今回の文書が提供されたような雰囲気なので、少なくとも小西氏自身が総務省内のサーバーなりにアクセスして取得したというわけでは無さそう。それは、ご本人が総務省の有志から提供を受けたと言っている事からも明らか。となると、総務省内の誰かがどこからかファイルを入手して、それを印刷して渡した可能性が一番高いと思われます。

疑問なのは、今回のファイルが作成された2015年当時の文書管理がどうなっていたかという事。ざっと検索してみると、政府もデジタル化を進め始めていた頃で、「デジタルガバメント」と言った事が場生まれるかどうか位のタイミングなんですよね。そう言う意味では、当時の総務省内では文書ファイルの電子管理のような仕組みは既に利用されていたかもしれないけれど、例えば起票から官僚まで全てクラウドで履歴管理出来るような状態では無く、推測するに最終的に承認された文書に関しては、電子的に登録されてオンライン化されて管理されている、と言うレベルじゃ無いだろうか。従って、今回流出したと推測される作成途中とか承認以前のドラフトレベルのファイルや、個人的なメモ・覚え書き程度のファイルは、実は共有されることは無くて、個人の端末(=パソコン)位にしか存在しないものだったのかもしれない。あるいは、当時は最終的な文書は公式なシステムに登録されて、管理番号とか履歴管理等するシステムは有ったけれど、其れ以前の編集中ファイルだったり、会議録みたいな簡易なファイルに関しては、共有フォルダーみたいな場所に保存して、必要な人の間で参照したり共有したりといった仕組みは有ったのかもしれない。その時に、その共有フォルダーへのアクセス管理をどの様にしていたのかは不明だけれど、仮に個人レベルで必要に応じてそういうフォルダー作成と管理が出来たのであれば、今回のファイルがそういう場所に保存されていたけれど簡単にアクセス出来ない状態では有ったのかもしれません。

総務省の調査で、今回公表された文書ファイルは公式に管理番号が振られて管理されていたものでは無いことは確認されています。一方で小西氏が公開したものと同一のものが省内に存在していることも確認されていて、それを持って小西氏は「第一級の機密文書」みたいな事を言っているけれど、個人的にはたまたま共有フォルダーが昔のまま残っていて、削除されずに今日までサーバーの片隅に残っていただけ、何だろうと。文字通り、省内のサーバーをサルベージしてみたら、もうとっくに削除したと思われるような領域からホッコリ見つかった、みたいな感じじゃないだろうか。これも想像ですが、そのフォルダーへのアクセス設定なんて、既に退職した人、移動したも含めて、当時の認証状態のままだったんじゃないだろうか。いずれにしても、何がどういう切っ掛けだったかは分からないけれど、事実上は記憶に無いような状態だったものが、何かの切っ掛けでとある人の目にとまり、そこから小西氏に流れてきた事は確かだと思うんですよね。だから、その「見つけた人」が誰なのかと言うのが個人的には疑問。一番ありそうなのは、当時の関係者でアクセス出来る人が、例えばサーバーの整理のために古いフォルダーやファイルを整理している時に見つけて、「これは!」と思いついた説。でも、それが1年2年後位なら分かるんですが、8年も過ぎてからそう言う事をその当時の担当者がやるとは余り思えない。同じような可能性で、サーバー管理者がやはりフォルダー整理の過程でこれらファイルを見つけて提供した可能性。ただ、普通はわざわざ中身まで見て内容判断をするようなことまではやらないだろうし、今回は日付けも管理番号も内容なファイルだけに、普通はその場で削除されるようなものだと思うんですよね。共有フォルダーのようなサーバー上では無く、個人のパソコンに残っていた可能性もあるかなと思ったんですが、流石に7年8年前の事だと、その当時使用していたパソコンも減価償却して更新されている可能性が高いだろうから、その可能性は低いのかなと。有りそうなのは、その当時バックアップしていたUSBメモリーとかDVDとかを整理している時に見つけたくらいだけれど、流石に省庁ではその手のメディアにデータをコピーすることはかなり制限されるだろうからその可能性も低いのかなと言う気がします。

いずれにしても、省内の機密情報が外部に流出した事は事実なのだから、その経路を調べて機密保持のために対策することは絶対に必要。小西氏は既に自ら、総務省の人間から入手したというようなことをSNSで仄めかしているのだから、底を操作することが今一番必要何じゃ無いだろうか。それが省内の人間であれば、当然守秘義務違反にも問われるだろうし、今以上に大きな騒動になる可能性は大きいけれど、公益性を理由に何でもかんでも持ち出して言い訳では無いし、こう言う事が続けば「公益性」という一番大きな理由すら歪めることになるんじゃ無いだろうか。特に今回の場合は、高市氏関係の文書は、元々放送法の議題を持ち出した礒崎氏対策のために準備された架空のやり取りを記載したものと確定しつつあるわけで、そう言う意味では「捏造」と高市氏が言う事も納得出来ます。そう言う捏造情報が、総務省から持ち出されて、まことしやかに「疑惑」として議員が公に取り上げて責任追及をするというのは、ちょっと遣り方が違えばクーデターと言われても仕方の無いことだと思う。何年か前に安保法制が整備される時に、野党の多くは「戦争法が出来る」と批判し、居酒屋で戦争反対と言っただけて逮捕されるというようなことも言っていたけれど、今回の件は居酒屋で話もしていないのに「話をしただろう」と言われて追及されていることになるわけです。問題だと騒いだ側が、それと同じ事をもっと極端にした行為をしていた責任は、非常に大きいと思う。 

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