2023年3月20日

廃棄率8.82%

政府が準備したコロナワクチンのうち、 7783万回分(推定2000億円)が廃棄されると批判記事を掲載している毎日新聞。わざわざ、各自治体にアンケート調査までして使用量を調べて推計する、力の入った取材記事(マテ)。政府が契約したワクチンは、数社から合わせて8億8200万回分、総額2兆4036億円で、ワクチン数で言うと廃棄率は8.82%。これを多いとみるか、少ないとみるかは人それぞれだと思うけれど、この短期間に全国民に対して対応しないと行けなかった状況を考えると、決して悪くない値だと思う。

先ず考えないといけない事は、調達したワクチン数は当時の接種対象者全員が必要な回数接種出来る数に有る程度の余裕を見た数を調達しているはずだから、どうしても幾らかの余りは生まれるもの。最初から接種者数は対象者の80%位だから、調達量もそれ位と想定して、実際に接種したら足りなくなったと言う事は許されないわけですからね。そう考えると、廃棄する予定の7700万回分のうち、半分近くは接種拒否したり積極的に接種に参加しなかった人分と言っても良いんじゃ無いだろうか。特に最初の頃は、若い世代かの接種が進んでおらず、結果的にオミクロン未対応の初期の分のワクチンが期限切れとなり廃棄される量が多いのだろうけど、それを言うのであれば当時ワクチン反対路線みたいなものをメディアでも展開していた時期があるわけで、その責任の一部はメディアも負うべきでは。

最初の頃は、このワクチンは世界中で取り合いになっていたわけで、その中でも日本は調達が後発組で厳しい状況だったはず。それなのにこれだけの量の契約が可能だったのは、やはり当時の安倍総理やそのスタッフの先見性であったり行動力は賞賛されるべきだと思う。結果的に余らせてしまい廃棄する事になった分を、当時の途上国などワクチン不足の地域や国に回すべきだったという意見はそれなりに一理あると思うけれど、契約の関係も有りなかなか融通することも難しかったことも事実。そんな中で、国民の安全優先で最大限のワクチン数を確保した事は認められるべきだと思う。現時点で、ああすれば良かった、これくらいの数量で十分だったみたいな事は、今だから言えることですからね。それは卑怯だと思う。

ネットでは、このワクチン廃棄の毎日新聞の記事に対して、自社の押し紙による廃棄率とどっちが高い、みたいな揶揄するコメントも多いのだけれど、まぁそれとは意味が違うとはいえ、でも新聞配布に関しては購読者数も分かっているわけだし、駅販売などでの状況もそれなりに事前把握できるわけだから、数値だけ言えばもっと正確な値なるはず。ワクチン接種初期の、物療システムや管理方法、あるいは必要数の要求システムの不具合みたいな問題点をまとめて、将来に対しての意見とするならばこの記事も意味があると思うんですよね。例えば、もっと保管管理を地域分散して、都道県レベルで柔軟に供給調整出来るようにするべきだったとか、逆に複数の都道府県で互いに融通出来るような広域での供給システムを考えるべきとか。あるいは、それこそマイナンバーカードを使用して、もっと簡単でかつ迅速に次回接種対応出来るような仕組み構築を提案するとか。この記事を見ていると、「2000億円」という金額だけを取り上げて、それを無駄と意識付けて批判したいだけのような気がするなぁ。そうそう、記事の最後に「満遍なく配り、効率性の視点が欠けた」というコメントを掲載しているけれど、逆に都市部や人口集中地域を優先したらしたで、「地方を無視、弱者無視」みたいな記事を書くんだろうという気がします。

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