ITmediaの記事から、何故「福岡ソフトバンクホークスは320億円の売上げがあるのか」というスポーツビジネスの話。 記事には幾つか事例が書かれているけれど、それを言ったらお終いよだけれど、正直なところ一番の理由は「ソフトバンク」という巨大企業の後ろ盾だと思う。携帯電話会社のみならず、ポータルサイトでのEC展開能力もあるし、関連企業も多く抱えているわけで、パブリシティだけでなく流通販売網も自社で完結するような巨大なプラットフォームを持っているだけに、ここにチームグッズやイベントを展開していけば、そりゃぁその影響力は大きいと思う。
ホークスに対抗できそうなのは、多分東北楽天ゴールデンイーグルス位じゃ無いだろうか。その楽天にしても、ソフトバンク程チームビジネスの好調さは聞かないし。それを考えると、それ以外の10球団はもっと厳しいでしょうね。以前は、12球団でもダントツの人気と知名度と実力を兼ね備えていた、東京読売ジャイアンツにしても、今は厳しいと聞くし。大体ソフトバンクは、「ソフトバンク」と流れるCMを一日中流しているわけで、それがスマホのCMだろうが何だろうが、「ソフトバンク」と名が付く全ての事柄の宣伝になっているから強いですよね。まぁ、この会社は昔からそう言う方法で拡大してきた会社だから、やり方自体は昔と変わっていないけれど、その規模は何十倍何百倍も大きくって、そのぶん影響力も大きくなっているから、さらに有利になっている気がする。
野球の場合は、今はオフシーズンですが、2月に入ればキャブが始まるし、3月の終わりから4月にシーズンが始まれば、11月位まで、ほぼ毎日のように試合があり、黙っていてもテレビのスポーツコーナーで取り上げてくれるし、新聞などのメディアも同様。同時期に同程度の試合開催をしているJリーグの露出度を比較しても、やはりプロ野球だけは別格という存在ですからね。そう言う意味では、あのソフトバンクですら年商が320億円というのは、逆にちょっと少ない気もしますね。とは言っても、一日1億円近い売上げがある大企業である事には違いないけれど。
年間の試合数では、プロ野球の10分の1にも満たない国内アメフトの場合、どうやったらチーム運営を成立させるだけの「売上げ」を得ることが出来るか、凄く大きな課題だと思う。最大でも年間の試合数が10試合程度では、仮に集客が成功して試合当たり1000人が観戦に来てくれても、年間の集客数が1万人程度。その1万人が、一人当たり1万円の消費(チケット代やグッズ台)をしてくれて、やっと年商1億円に届く。現状では、試合で1000人の集客って、かなりハードルが高い目標なんですよね。で、観戦してくれる人を増やすにはチームが強くなければやはり人は集まらないけれど、その為にはコストも掛かる。でも、お金は無い、みたいな三すくみみたいな状態を、殆どのチームが抱えている最大の課題。これをどうしたら糸口を見つけることが出来るか。個人的に思うのは、少ない試合数をアメリカでは「希少価値」として上手く付加価値付け出来たけれど、日本ではそれは無理だから、試合以外での露出度をもっと増さないと駄目だと思う。地域ボランティア等が手っ取り早いと思うけれど、例えば最近多くのチームで力を入れだしているフラッグフット教室みたいなものだと、子供にその親御さんも巻き込んで、しかも定期的に年間通して遡及が可能だから、なかなか良いアイデアだと思う。兎に角、一年中「フメフト」が感じられる露出をどうするのかと言うのが、今のフットボール界の最大の課題じゃないだろうか。言うは易、ですが。
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