ITmediaの記事から、海外との時差を利用して生産性を高めようという話。実は自分の場合は、在宅勤務(リモートワーク)を始めた、もう20年近く前からこんなモードで仕事をしているので、正直なところ「やっと時代が自分に追いついてきた」(笑)という印象なんですが、当時と現在との違いをあえて挙げれば、
- 当時は、日本と米国という「二拠点活動」が殆どで、だからほぼ半日違う時差を利用して、仮想的に24時間無休で仕事が進むようなイメージ
- 現在では、さらに拠点として、中国(日本からマイナス1時間の時差)、東南アジア(大体マイナス2時間の時差)、インド(マイナス3時間30分の時差)当たりが加わり、さらに欧州(マイナス7時間から9時間の時差)も入る事で、リレー形式で仕事が引き継がれていくイメージ
ところで記事中では、日本とアメリカの時差を「16時間」としているんですが、これがちょっと微妙。サマータイム(DST中)だと、日本と西海岸の時差が-16時間になるので、それを想定しているんだろうか。サマータイムが止まっている冬時間中の今は、西海岸とかマイナス17時間の時差なんですよね。まぁ、日本とオーバーラップ出来る環境という話の続きのために、あえて西海岸の事例を出しているんだろうけど。自分の場合は、米国の相手は東海岸に居るので、現在はマイナス14時間、DSTに入るとマイナス13時間と、ほぼ昼夜逆転している状態。で、立場関係的には相手の方が強い(笑) ので、どうしても日本側が譲歩する形になり、相手の朝方、こちらの夜遅めの時間帯に電話会議とかが集中する事に。今はもう慣れてしまって、夜の10時とか11時から始まり、日付けが変わる頃にやっと終わるなんて言うことも珍しく無くなったけれど、やっぱり結構最初の頃は大変でした。ミーティング中に寝落ちして、気がついたら自分一人だけだったことも(笑)。
最近では、インドに拠点が出来て、こことのやり取りが増えてきたので、少し楽になった感じに。時差が3時間30分と中途半端なことが難点ですが、大体の印象としては、日本のお昼過ぎ位からインドの一日が始まり、こちらの夕方位まで仕事のやり取りをして、最後のまとめは向こうに投げてこちらの一日が終わるという感じ。とは言っても、米国とのやり取りもまだ残っているので、結局インドが入っても米国との深夜帯に欠けてのやり取りもしないといけないし、結局はそれまで余裕のあった昼間の時間帯がインド関係で埋まって仕事だけ増えた、という感じ。うーん、給料そのぶん上げてくれぇ~
勿論、職種や仕事の内容よって仕事のモードは異なるわけで、誰でもそんなタイムシフトした仕事モードをやっているわけじゃない。ただ、例えば製造関係に関われば、今では海外のコストの安い所に製造委託するのは当然なので、そういう所のやり取りは生まれるかもしれない。自分のように開発関係の仕事をしていて、世界中に開発や研究部門が点在していると、本当に今は24時間戦えますか状態なんですよね。だから、リモートワークになって決して仕事が楽になるわけでは無く、ワークロード的にはより厳しくなってきている。じゃぁ、何がメリットなんだと言われると、例えば製造するなら製品のバラエティだとか内容が多様化してきたり、コスト的により有利な条件を発見できたり、質的な部分でのメリットが大きくなることが、こう言う世界の利点なのかなと。その一つとして、楽なモードだって選べるんですが、ライバルも増えているわけだから、自分が楽したいと思うと、どんどん置いて行かれてしまうのも今の時代。結局は、自分自身により厳しくないと、こう言う世界モードでの仕事はなかなか難しい気が毎回します。それって、ビデオが家庭に普及して、それまではリアルタイムでしか視聴できなかったテレビ番組を、ビデオテープに録画して何時でも好きな時に視聴出来るようになったことは便利だけれど、結局録画だけして視聴する余裕が無くなり、ビデオテープが堪るだけという悪循環と似ている気がする。ビデオデッキも、SONYが「Time Shift Machine」と定義して、その利用方法や著作権対策をしたわけだけれど、ビジネスでのタイムシフトもなかなか難しいです。
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