帰農の朝のニュースは「マクドナルドが〇〇円値上げ」と大々的に報じていたのに、今朝はその後追い取材は全く無し。値上げ前は、駆け込み需要でいつもより多く購入する人が目立つと言いながら、では値上げ後はどれだけその反動があったのか伝えるのが「報道機関」の仕事じゃ無いのかと小一時間。缶詰とかトイレットペーパーとか、長期保存・保管出来る物ならまだしも、基本その日のうちに食べないと行けないような物を駆け込み購入しても殆ど意味ないと思うのに、そう言う事は臭わせないんですよね。
「マクドナルド ハンバーガー 価格推移」とかのキーワードで検索すると、マクドナルド1号店時代からの価格情報が幾つもヒットするんですが、例えばこのページの年表。今回一つ170円になる一番ベーシックなハンバーガーは、最初は80円だったんですよね。でも、当時はまだ円ドル固定相場制の時代で、US$1=360円というとんでもない「円安時代」だった頃。その後、変動相場制に移行して、一気にUS$1=260円から200円を切る時代になると、マックのハンバーガーもどんどん値上がりして、1985年のバブル華やかな頃には200円を超えていたんだよなぁ。それがバブル崩壊とともに、ガクンと値下げされて、デフレ時代に先鞭を付けたというか、そこでマクドナルドは勝ち組になったけれど、社会派「安い物が正義」みたいな空気が生まれたのもこの頃じゃ無かっただろうか。でも、結局それが仇になってマクドナルドは2000年代に入ると赤字に転落して、で、あの原田泳幸氏が創業者の藤田田氏から交代して社長になると「100円マック」の時代が始まる、と。その後、円安で一時120円に値上げするけれど、「100円マック」の印象が強すぎて今度は100円と言う価格に縛られて、これがまた首を絞めることになるんだよなぁ。あと、この頃たまにマックで購入して感じたんですが、ハンバーガーのサイズとか中身が微妙に小さくなっていたり、貧弱になってきていた気がするんですよねぇ。隠れたところでのコストダウンかなと当時は思っていたけれど、事実はどうなんだろうか。
とは言っても、それまで110円だったものが、一年もたたないうちに、110円→130円(2022年3月)→150円(2022年9月)→170円(2023年1月)と大きく値上がりすることは、利用者にとっては決して小さくない負担を強いることにもなるわけで、影響は大きいと思う。反面、これまでのマックの価格を見ていると、途中何らかのコストダウンをしてきて入るだろうけど、それまでの価格維持のツケがここに来て一気に影響している事も事実だろうし、その辺りデフレに染まっていた社会の空気が値上げを許さなかった事も伺えます。マクドナルド程の会社でもそうならば、もっと小さな会社なんかは「値上げ」なんて言う事は口が裂けても言える雰囲気じゃ無かったでしょうね。勿論私だって、良い物を安く購入したい気持ちは当然ですが、それを許していなかったのは当時の空気だと思うし、そう言う時代にしてしまった政治・政府の責任もあるとは思う。今もそうだけれど、困っている人を助けよう・援助しようという事は大切だけれど、仕事を増やして経済を回してお金が循環するような世の中にしようという気持ち・雰囲気は余り無かった時代が長く続いた気がします。
良く言われる「バブル時代」って、決してみんながみんなお金を潤沢に使っていた時代でも無かったんですよね。当時は物の値段は高かった。確かに給料とかのベースアップは今よりも格段に大きかったけれど、でも物価上昇率よりは低かった気がする。それでも、何となく周りの雰囲気で「今はバブル」という空気感が、お財布の口を開けっぱなしにしていた時代だった気がする。不動産投資とか株式投資に走る人間も多く居たけれど、結局は先行者利益は生まれても、それに乗っかって後追いで参加した人達は、多くはバブル崩壊で痛い目に遭った人が多いんじゃ無いだろうか。物の価格が幾らならば適正かと言うことは言えないけれど、やはりそこに関わる人全てに利益が循環するような価格設定・コスト設定にならないと、結局はすぐに以前のようなデフレ社会に戻ってしまう。ガソリン価格高騰の時には政府から補助が出された様に、社会が落ち着くまではもう少し財政出動するなり、税金の軽減措置をするなり、もっと熱心に価格対策はして欲しいところ。次の選挙までまだ時間が有りそうだからこそ、そういう所はしっかりやって欲しい。
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