2023年1月21日

2類から5類へ

現在「2類相当」として扱われている新型コロナウイルス感染症を、今年の春頃を目処に「5類相当」に改めるという話。まだ新型コロナウイルスは収束して居ないし予断を許さない状況ではあるけれど、同様にワクチン接種等で防御側の状況も変化してきており、それに応じて見直すのは良いことだと思う。ただ、懸念を感じるのは、2類から5類という変化が、一般の間では「恐い感染症(=2類)」から「インフルエンザ程度の経度の症状(=5類)」という、凄く楽観的な認識が広がっているように感じる事。確かに死亡率等はインフルエンザ程度にまで低下しているようですが、重篤率とか後遺症とか、新型コロナウイルスにはインフルエンザには無い特徴がまだ残っているわけで、決して安心出来る状況では無い。

例えばワクチンの効果に疑問を持っている人が良く言う意見で、ワクチン接種しても防げない、ワクチン接種した方が感染しやすくなる等があるんですが、ワクチンは感染防御と言うよりは感染しても重篤化を防ぐ効果が期待されているわけで、先ずはそこの誤解を解かないといけない。また、ワクチン接種で良く言われる、1回目、2回目、3回目とワクチン接種しても感染するし、陽性率は高くなると言うような話。私が思うのは、当初は2回程度ワクチン接種すれば免疫が得られて感染率も低下すると思われていたものが、ウイルスの変異スピードの方が早くて今の所後手に回っている状況。そう言う意味では、ワクチン何回目の陽性率と言うよく使われる数値は正直意味が無くて、回数よりは「接種後何ヶ月化」という事を重視するべきなのでは。例えば、現時点から過去3ヶ月以内にワクチン接種した人の人口比が60%とか70%とか、そういうカバー率を見るべきなのに、何故か2回接種とか5回接種とか、回数では解決出来ない話なのだから、もう少し伝え方を政府も考え直した方が良いと思う。

一方で、ワクチンやマスク着用に反対する意見の人達は、今回の決定を持って「それ見たことか」と自分達の主張の正しさの根拠のように言う意見も見られるのだけれど、決してそんなことは無いと思う。ワクチン接種せずとも感染しなかったという人は、たまたまワクチン接種した人の効果に恵まれただけだろうし、実は無症状のまま何度か感染していたのかもしれない。ワクチン接種しても、重篤者や死亡者が増えている話も、新型コロナウイルスが原因と言うよりも、それと年齢的な要因なども含めた複合的な理由から、無理が利きづらい高齢者の死亡者も増えているんじゃ無いだろうか。ここ2~3年ほど、死亡率は低下していたので、その反動という事もある気がします。新型コロナウイルスが直接の原因では無くても、間接的に色々な要因も含めて今の状況があるわけで、余り白か黒かみたいな二極的な意見は意味が無いと思う。さらにそこから、自分の考えに有利な意見のみ抽出して論拠とするのも、無理があると思うし。そう言う都合の良い物だけを拾い上げて組み合わせて正しさの証明みたいな事をしても、状況が変わればそれが逆に徒となる場合も有るだろうし。

私が感じるのは、2類から5類となる事で、これまで制限や制約があった生活や行動に関して緩やかさだったり自由度は増すけれど、より個人の責任というか自己管理が求められる状況になることをもっと意識した方が良いと思う。5類担ったから治療も入院もどこの病院でも出来ると言っている人が居たけれど、新型コロナウイルスならばそれなりの対応が必要な訳で、街の個人病院で直ぐに対応出来るわけじゃ無いだろうし。コロナ対応病院への補助金が無駄金だったみたいな事を言っている人は、その時に先行投資したからこそ重篤者が多くで涕涙までも入院措置できるだけの設備があるという理由になると思うのだけれど。急に要求しても、直ぐに設備が整うわけでは無い事は一昨年、さくねんの経験からよく分かっていると思うのですが、それすら割れているのだろうか。勿論、中には不正行為をして補助金だけ獲得するような所もあるかもしれないけれど、全部全部荘というわけでは無いだろうし、撫でもかんでも十把一絡げで言う事は重要な視点を逆に隠してしまう暴挙だと思うなぁ。いずれにしても、政府の関与がグッと減るという事は、これまで以上に国民一人一人の責任と行動が問われる状況になることをもっと真剣に考えないと、5類にした途端に第九波到来なんていうことにもなりそう。

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