2023年1月4日

今日から2023シーズン

昨日開催された第76回ライスボウルで、国内の2023シーズンが終了。試合は、シーズン最後を飾るに相応しい熱戦・接戦で、前半まではパナソニックがかなり有利に試合を進めていたけれど、流石富士通、後半しっかり前半のオフェンスミスを修正し、さらにそれに釣られてディフェンスも調子を取り戻し、後半2回のパスインターセプトが大きかったですよね。 今シーズンのリーグ戦では、正直パナソニックの方が調子は上だと思っていたし、実際試合開始からハーフタイムまでは、富士通らしくないプレーが続いたけれど、やはり伊達に日本一を維持しているわけでは無い富士通は、ちゃんと後半からいつもの「嫌らしく強い富士通」に戻っていました。

両チームのオフェンスを見ると、どちらもランプレーがパスプレーを上回り、やはりフットボールの基本というか「体幹」はランプレーだよなぁと再認識した試合。どちらも、富士通は#2ニクソン、パナソニックは#5ジャモーという、国内トップのパワーランナーを要しているから当たり前と言えば当たり前ですが、近年のフットボールはどうしてもパスが中心になりがちの中、やはり核となるプレーがあると、攻撃に厚みが出るなぁと再認識した試合でした。一方パスは、富士通の#18高木は前半ウソみたいに駄目でしたね。エースレシーバーの#85松井とのコミュケーションも取れていなかったし、何とかディフェンスがパナソニックを2TD(14点)に抑えてくれたから、後半の巻き返しが届いたという感じ。パナソニックの#2ヘンダーソンは逆に、前半は良かったけれど、後半プレッシャーが厳しくなってくると格段にパスの精度が落ちてきて失速した感じ。多分、リーグ戦やトーナメント戦で経験したことの無い雰囲気で焦りが出てきたんだろうなぁ。3Q後半から4Qに欠けては、もう前半感じたような脅威は消えていた気がします。

両チームのディフェンスは、もう最前線のディフェンスラインの強さ、中間のラインバッカーの素早さ、そしてレシーバーとマッチアップするディフェンシブバックの巧みさの競い合いで、他チームがこのレベルのディフェンスを切り崩して得点を奪うのは2023シーズンも厳しそうという印象しか浮かばない。個人的に印象深かったのは、所謂「セカンダリー」と呼ばれる、ラインバッカーやディフェンシブバックの、前(スクリメージラインに近い場所)での対応が素早く確実だなぁという所。ディフェンスラインで有る程度の穴を潰すんですが、どうしても人数比で穴は出来るけれど、そこをしっかり後ろがフォローできているから、そこを抜けて独走TDとかフリーなレシーバーが出てどんどんパスが通るというような場面は少なかった。結果的に富士通の勝因は、パナソニックのオフェンスをゴール前で2回断ち切ったパスインターセプトだとは思うけれど、その2回のパスでQBのミススローイングを誘発するようなディフェンスライン/ラインバッカーの圧力が後半効いてきた結果だと感じました。

この2チームは、所謂「企業チーム」で、X1 Super 12チームの中では、この2チームだけ(X1 Area 8チームでは、警視庁が企業チーム(実業団)扱い)。昔は有望選手を集めやすいクラブチームの実力が上で強かったけれど、そんな中でも富士通とパナソニックは他種目(野球、バスケットボール、野球等)での経験からか、フットボールにも力を入れていて、この2チームの牙城を崩すのはかなり厳しそう。勿論、他チームでも全日本クラスの有望選手は多いけれど、今月22日に開催予定のDream Bowlに招集された一次候補選手93人を見ると、外国人選手も含む社会人選手79名のうち、富士通からは23人、パナソニックからは26人と、この2チームで半数以上(六割)を締めている。続くオービックが9人、IBMが7人と一気に半分以下の選出になるのは、やはりこの2チームの実力というか選手層の厚みの凄さの証明だと思うんですよね。それだけ、個人個人の資質というかスキルアップしないと、この2チームに追いつくことは難しい。あのオービックですら、最近では後塵を廃しているわけですからね。さらに言えば、今回のライスボウルでは、両チームとも結構基本的なプレーでシリーズを組み立てており、プレーの持つ胃票差と言うよりは、完成度あるいはプレー精度の高さが勝負だった気がします。その辺りも、十分な個人スキルの上に、チームとしての統制力・実行力というか、まぁ完成度の高さの証明でもあるわけですからね。まぁ、昨日の試合を見たX1 Superの10チームのコーチ・スタッフは、新年早々頭を抱えているんじゃ無いだろうか。そんな印象の2022シーズンの締めくくりでした。

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