2022年12月15日

カルト擁護と言われても

 Newsweek紙に掲載された、爆笑問題・太田光氏のインタビュー記事(前編後編)。その言動や行動から、何となく破滅型の芸人さん、例えばやすし・きよしの故横山やすし氏みたいな印象もうけるんですが、案外その発言は的を射ている時も多くて、自分として意識しているのかどうなのか不思議。このインタビュー記事は、結構冷静に今の統一教会に関わる一種の全国的ヒステリーみたいな状況を分析していると思う。

本来ならば、その政治信条の違いはあろうと、選挙期間中に力でその権利を奪われ、あまつさえ命まで奪われた暴力行為を断じなければいけないのに、「統一教会」とその断片だけが大きくクローズアップされて、そちらがメディアや一部野党が取り上げて騒ぐことで、どんどん問題が変質して行っていると思う。統一教会の問題は別の問題として、必要な対策や支援はやればよいけれど、それと安倍元総理への凶行は全く別の話だと思う。と言うか、現在ではもう安倍元総理に対しての凶行に関して、誰も触れませんよね。

霊感商法などの被害者救済法案も成立して臨時国会は終わったけれど、その内容を決めることが如何に難しいか、0か1かでは判断出来ない部分があるから、なかなかこれという対策が20年たっても出てこないわけで、そう言う意味では一つの法律を作ることがゴールではなく、宗教という物が存在する限り、それに合わせて臨機応変に対応するような仕組みを作るべきじゃないだろうか。まぁ、その為にはその前提となる法律が必要ということなんだろうけど、結局今回の野党の反対意見なんかを聞いても、統一教会のことしか頭になくて、それ専用の法律みたいになっている。確かに、一番影響の有る相手なのかもしれないけれど、宗教というのはそれだけ手は無いし、以前も書いたけれど今のビジネスだってそれに近い物は幾らでも存在している。そう言う事も含めて、もっとちゃんと考えて決めるべき話だと思うのだけれど、世間の批判を気にしてなのか、あっと言う間に決まってしまい、これは凄く稚拙だったと思う。

それが良いとは決して言わないけれど、実は「言葉巧みに相手を信用させる」なんていうのは、昔からずっと続いてきた話なわけで、その元ネタが今回は「霊感」だから問題みたいな話に矮小化されていないだろうか。例えば「祖先の霊が...」と言って寄付を募る行為が問題なら、「教祖様の覚えよくなるために」と寄付を仄めかすのも、実は同じ話しなのでは。一定金額以上の寄付を禁止したとしても、分割するとか別の名前で寄進するとか、色々やり方はあるだろうし。大体、政治家の政治団体とか後援会なんて、同じような事をずっとやってきたわけでしょ。それを考えると、そんなに簡単に問題解決できるとは思えない。やっぱり、経済的な問題は法人優遇を一部制限して、少なくとも収益の申告はさせるべきだろうし、それによって何らかの活動監視と制限を掛けていくしか無いんじゃ無いだろうか。私自身は、宗教は信じないけれど、それが宗教かどうかは別にして何らかの精神的なよりどころは必要かなとは思います。統一教会がそれに値するかどうかは分からないけれど、それが「信じること」の基本だと思うし、その部分まで否定するには、やっぱりよほどの判断が必要だと思うんですよね。そう言う意味では、今のようにマスコミとか一部の大きな声に迎合しているような状況での判断は不味いと思う。これ以上時間を掛けるなと言う意見も理解出来るけれど、でも少し冷却期間をおいてから冷静に判断する必要の有る問題だと思う。

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