2022年12月15日

ゼロコロナ後のウィズコロナ

新型コロナウイルス対策で混乱している中国。皮肉なことに、世界がコロナ対策で右往左往していた時には、素早いゼロコロナ対策で世界でも数少ない「優良国」であったのに、それに安心してか先手先手の対策を打たなかった(打てなかった?)ために、今度は世界がウィズコロナで妥協点を見いだそうとしているタイミングで、中国はこれまでで最大の混乱が生まれようとしている。 

中国の対策対応に関しては、色々言われてはいるけれど、その強権的な社会体制もあって、初期対策としては案外効果的で上手く言っていたんですよね。しかも、最近のゼロコロナ政策が余りに厳しく長期間だったため国民の不満がつのり、一気に緩和したために反動が大きくて更に混乱している様子が伺えます。そんな中で、「パプロンゴールド」に活路を見いだす国民の意識って、笑ってはいけないけれど何かもの悲しさすら感じる気がします。ちょっと不思議なのは、確かに日本の薬は昔から中国でも人気もあるし信頼されているのだけれど、文字通り地続きでお隣の韓国だって、薬関係はそれなりに実績があるのに、韓国製の風邪薬や解熱剤には手を出さないのだろうか。まぁ、想像するにいろいろなむにゃむにゃでだから日本に視線が来るんだろうけど。

中国の場合、自国開発のワクチンがあるし、結構無理して大量生産することも出来るだろうから、それをどんどん配布して接種すれば良いのにと思うけれど、多分広大な国土に日本の十倍の人口、さらには日本以上に高齢者に対しての接種率の低さなどが原因で、ワクチンの効果が出にくいという事が最大の問題かも。勿論、日本などで仕様しているmRNA系とは確か異なる仕組みの中国製ワクチンだったと思うので、効果にしても比べるとやや低いようだし。だからと言って、ファイザーとかモデルナとか、主流のワクチンはこれから入手するには難しいだろうし。

実は、個人的に自分がもし中国に住んでいる人間だったらと想像した時に、このコロナ禍の被害から逃れるために多分実行するだろう行動が「日本への逃避」じゃないかと。物価は安いし円安もある。コロナ禍は日本でもまだ問題だけれど、中国よりもその状況は信頼出来るし、場合によっては治療機関もある。大体、一般の薬剤だって入手するのは中国国内よりも楽だろうし、リスクとしてはかなり低いと考えられるのでは。勿論、経済的にそれが可能かどうかというのが最大の問題だし、それが可能なくらいなら中国国内でも同程度くらいの対策は取れるかもしれない。ただ、特に若い世代なんかは、これを機会に外に出るという選択をする切っ掛けになったりしないだろうか。少し前の中国だと、外に出て成功するも良し、国内で成功するも良し、みたいな空気があったけれど、結局中国政府に付き合っている限りは、少し前のアリババとかじゃないけれど、突然一日にして態度が変わる怖さは今でもあるんですよね。少なくとも今の習近平政権が続く限りは、「出る杭は打たれて折られる」位の覚悟が無いと、国内では生きられないような気がする。だからと言って、日本に変な空気というかやっかい事を持ち込まれても困るのだけれど。でも、お隣中国のゼロコロナ後の混乱というのは、結構日本にも影響する気がしますね。それ以外の防衛とか貿易とか、摩擦が生まれつつある分野に波及しないと良いのだけれど。

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