完全人工生産した鰻の試食会という記事なんですが、これって鰻の完全養殖サイクルが確立したという話なんだろうか。 記事を読む限りでは、卵をふ化させて、そこからシラスウナギになるまで育てて、さらにそれを養殖して成魚にするまで完全に人工飼育したとのことだけれど、その卵を養殖した鰻から採取したものなら「完全養殖」になるし、それが複数世代で成立するなら「完全養殖サイクル」が確立したことになり、そのうちに今のハマチとか鯛とかの養殖のように大量生産する事も可能になるだろうけど。
この技術を開発したのは「新日本科学」という会社で、医薬品開発受託事業等医薬関係の会社らしい。余り鰻とも養殖技術とも関係なさそうだけれど、馬義の付加から稚魚まで育てる場合の、餌が分からなくて長いこと苦労し対多ので、その辺りは製薬会社という事で色々技術の応用が効くのだろうか。元々は鹿児島発祥の企業で、一時東京に本社を置いたけれど、現在はまた鹿児島に戻っているらしい。鹿児島は鰻養殖が盛んな地域の1つだから、そう言う意味では不思議は無いけれど。2014年から研究を始めて、ふわぬや年には日本鰻の人工種苗生産に成功するなど、かなり実績と実力がある会社なんですね。しかも、鰻だけで無く、地熱発電の余剰熱でマンゴー栽培をして居たりと、かなり面白そうな会社。
今回の鰻は、沖永良部島の研究・飼育拠点で完全養殖をした食用鰻100尾から調理した物らしいけれど、後は一匹当たりの単価がどれくらいかでしょうね。幾ら完全養殖が出来ても、一匹当たりのコストが何万円とか何十万円では、自然保護は出来てもビジネスには繋がらないから、結局は自然の鰻稚魚採取とか現状からの脱皮は出来ないわけで。多分今後技術や飼育地域が蓄積されていけば、採卵した卵から生魚になるまでの歩留まりも高くなり、もっと大量に養殖可能になるんだろうけど。今の所、元々の鰻自体が高値だから、コストダウンに関しても今後有る程度の期間経過すれば、それなりに下がってくるのだろうか。需用が消えることは無いだろうから、ある意味独占技術で付加価値も高いだろうし。
私も、昔は鰻が好物で年に何回か鰻屋さんに食べに行ったり、自宅に持ち帰って食べるのが楽しみでしたが、数年前にちょっとした事が切掛で、今は全く食べなくなってしまいました。もう5年? 6年? もしかしたら10年近く食べていないかなぁ、鰻は。最近は味の濃い物も年齢から食べられなくなってきていて、だからあの鰻のタレ自体も駄目になってきたし。白焼きならいけるかもしれないけれど、その為にわざわざ食べたいとも思わないし。まぁ、代わりと言っては何ですが、穴子は未だに好物で、白焼きでも煮詰めでも食べられるから救われるのですが。元々子供の頃にお寿司屋さんに言って、当時好物だった鰻のお寿司が食べたいと駄々をこねたら、「鰻のお寿司」として出されたのが穴子だったわけで、まぁ自分の気持ち的にはそんなに変わらないかもしれない(笑)。日本鰻は絶滅危惧種だから、何とか完全養殖で一般の食料品としての需要を賄えて、場合によっては同じく鰻を食べる、中国とか台湾の需用も賄えたら良いのだけれど。ちょっと訳ありで避けていた鰻ですが、来年は一度挑戦してみようかなぁ...
0 件のコメント:
コメントを投稿