中国で進められている「ゼロコロナ政策」。余りに強権的な政策を、数ヶ月も長期間継続してきたため、流石に対象地域の住人の我慢も限界になり、中国では異例となる体制に対しての反対デモなども多数発生し、それに対してのガス抜きなのか緩和策もも出されて、中国政府としても苦しい立場が伺えます。
新型コロナウイルス発生初期には、ワクチンや治療薬などの対策が無かったので、基本ウイルス持ち込みを防ぐ「ゼロコロナ政策」しか無かった頃。そんな中で、日本などは水際対策が甘いと国内から非難されてきたけれど、序盤は理由や原因は不明ながらも、そんなに感染爆発は無かったんですよね。勿論、完全に近く水際対策が機能した台湾などは、封じ込めに成功したように見えたし、新型コロナウイルスの発生源と言われた中国も、その後厳しい隔離政策もあって感染拡大は終息したように見えました。でも、一回限りで終わるならそれも有効だっただろうけど、次々と変異種が生まれて感染力も強くなると、100%完全に侵入を防がない限り、針の目からでも入ってくれば、一気に感染爆発する事に。特に、それまで感染が殆ど無かったと言う事は、免疫も無いと言う事なので、その後の中国や台湾の感染爆発は大きかったと記憶して居ます。
新型コロナ優等生と言われた日本も、その後感染拡大をして大変な騒動になっていたけれど、ワクチン接種の効果と感染者数増加による多分集団免疫の効果も有って、今の所第八波の現在は第七波よりも落ち着いた、第六波かそれよりも軽い状態で推移しているような気がします。また、以前と比べて新規陽性者数(感染者数)はそんなに違わなくても、重症者数や死亡者数は減っているわけで、そのぶんの効果は大きいんじゃ無いかと思います。 つい最近まで「ゼロコロナ」を唱えていた某野党を揶揄する声も無くは無いけれど、友好な治療・免疫手段を獲得するまでの対処療法としての「ゼロコロナ」政策は有りだと思うけれど、感染が広がっている状態での隔離政策は無意味だと思うなぁ。特にオミクロン株になって、感染力は以前よりも強くなっている訳だから、それこそ中国並みの隔離政策を日本でもしないといけないけれど、それは現実的に無理である事は明らかなわけだし。
大阪大学医学部の忽那賢志教授が、日本国内の感染状況をまとめているんですが、日本では4人に1人が新型コロナウイルスに感染済みと推定されて、その中でも感染爆発のあった沖縄(46.6%)では、2人に1人という状況と推定されるらしい。沖縄以外では大阪(40.7%)と京都(34.9%)が高く、逆に低いところは長野(9.0%)、徳島(13.1%)、愛媛(14.4%)と、一割程度の地域も少なくない。その四国は、徳島と愛媛は少ないけれど、高知と香川は30%以上の地域で、この差は何が理由で生まれるのか不思議。長野がエアポケットみたいな状態になっているのは、やはり山に遮られている地形的な物も関係するのだろうか。で、ゼロコロナ政策ではないけれど、これまで感染者数の少なかった地域では、今感染拡大が起こっており、多かった場所では逆に落ち着いている。色々な要因はあるんだろうけど、多くの人が感染経験から抗体や免疫を獲得していることも大きな理由だと思うなぁ。そこで問題なのは、ゼロコロナ政策の逆である、有る程度感染することを許容して、早く集団免疫のような状態を獲得する事のメリットは有るかという所。以前の変異種では、致死率が高かったために、如何に感染しないかという事が最大命題だったけれど、現在のオミクロン株は感染力は強いけれど、威力は弱いと言われている。それなら自ら感染して免疫獲得した方が有利と思う人もいるかもしれないけれど、インフルエンザと比較して致死率はまだ大きいだろうし、なんと言っても後遺症が残るというのがインフルエンザとの大きな違いだと思うんですよね。そのリスクを国民が受け入れるのであれば良いけれど、なかなかそれは受け入れられないと思うなぁ。欧米などの死生観だと案外受入可能な気もするけれど、日本人の場合はそんなことを言い出したら「弱者切り捨て」だとか「自分だけが助かれば良いと思うのか」とか、批判の嵐になりそう。ただ、ゼロコロナ政策が多分もう通用しない自用強になった以上は、如何にリスクテイクしつつ、そのリスクを最少化していくのかという事を真剣に考えないといけないと思う。それが出来たら、今の2類相当から5類への変更も可能になると思うなぁ。まだまだ、道のりは長い気がする。
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