2022年12月3日

ビデオ判定

昨日の「大どんでん返し」と言ったら怒られるかもしれない、日本のスペイン戦勝利。昨日の朝の時点では、丁度試合が終わった直後だからそんなにハイライト映像も出てこなかったのだけれど、その後続々の試合の様子がテレビが流されて、ネットも大興奮状態で、もう金曜日なのに週末が来たというか盆と正月が来たような状態(笑)。

そんな中で個人的に気になったのが、日本の2点目決勝点となったゴールのプレー。ボールが一瞬ゴールラインを割って外に出たように見えたんですが、兎に角三笘選手がゴール前に戻したボールを、飛び込んできた田中選手が押し込んでゴォォォォォォォル! 最近のサッカーでは常識になっているビデオ判定の「VAR (Video Assistant Referee)」映像を見ると、本当にギリギリボールがゴールラインに掛かっているというよりは「触れている」感じ。実際1.8mmボールはゴールラインに触れていた、と判定されたらしい。サッカーの場合アメフトと違って、白線上までが「インフィールド」なので、白線に掛かっているということは「ボールはまだインフィールド」と判定されるらしい。アメフトの場合は、白線に少しでも触れたら「アウトオブバウンズ」ですからね。たださらにサッカーと違うのは、ボール自体は白線の外に出ていても、それを保持している選手がインフィールドなら「アウトオブバウンズ」にはならないところかな。

ビデオ判定自体は、アメフトも結構早くから取り入れていたと思うんですが、今回よく見る上からの映像(ホークアイと言うらしい)は、テニスの判定イン・アウトの判定とかバレーボールでも最近よく見る技術。テニスやバレーボールは、コートサイズも小さいからまだカメラの位置とか台数もそれなりなんだろうけど、サッカーの場合はゴールラインだけで40m以上有るはずで、何処に来るか分からない選手とボールを確実に捉えるのはかなり大変じゃないだろうか。ちょっとビックリしたのは、サッカーの場合は映像だけで無く、今回の場合はボールの中にセンサーが内蔵されていて、それでmm単位でボール位置が判断出来るらしい。TLに流れてきた写真を見ましたが、ボールのまん中に複数のゴム紐みたいな物で支えられた丸いセンサー上のユニットが浮いているんですよね。さらに、センサーが内蔵されているだけで無く、フィールドの周りにはそのセンサー情報を受信するためのアンテナも準備されているとのことで、もしかしたらスポーツの中で今一番デジタル化されているのはサッカーかもしれない。

サッカーの場合は、丸いボールがどの位置にあるかで、インかアウトか、ゴールか否かの判定が出来るけれど、アメフトの場合はボールキャリアーが「持ち運んでいるボール」がどうなっているかで判断されるから、仮にボール内にセンサーが内蔵されてもあまり効果が有るとは思えない。楕円形のボールなので、基本的には尖っている先端が何処まで進むかの判断になるけれど、ボールが横向きに抱えられて居たら、そのボールの腹の部分が一番前に出ている可能性もあるので、その場合は先端ではなく腹の部分が前進位置とアメフトでは判断されます。ホークアイにしてもボール内センサーにしても、そうなるとなかなか有効には利用出来ない。しかも、サイドラインの場合はボールを持っている選手がラインの何処にいるかで判断されるけれど、タッチダウンだけは選手位置とは関係無くボールの位置で判断されるのも、考えてみたら不思議。だからアメフトの場合のビデオ判定は、様々な位置から撮影した映像を比較してビデオ審判が判断するという、考えてみたらかなりアナログな方法。大体、ボール位置を確定させるのは審判の目視ですし、ダウン更新したかの判断もヤードチェーンですからね。そのスポーツの特性で、技術の導入の仕方に色々な違いがあるのが、別の意味で面白いと感じます。いずれにしても、ビデオ判定にある意味救われた日本。運も味方に付けて、さらに勝ち上がって欲しい。

0 件のコメント:

コメントを投稿