入国制限が無くなった事もあり、ここ最近訪日外国人の様子をテレビで見る機会が多いのですが、街頭インタビューの話題は決まって「円安」について。日本での買い物をしている訪日外国人を捕まえて、幾ら買った、何を買った、そんな話題ばかり。別に買い物をする事を悪いとは言わないけれど、数年ぶりに海外に行ったならばこれまで以上にお金も使いたくなるだろうし、高品質、高機能と今でも評判の高い日本製品なんだから、つい手が出ても不思議では無い。
これも自分の天の邪鬼な性格から出てくる疑問だと思うけれど(笑)、やたらと「円安」という話題を際立たせるために海外との価格差をインタピューしたり、「爆買い」という事を強調したいが余り、そんなに金額的には高いと思わないものまで「こんな高級品を大量に購入」みたいな話題の振り方には、メディアとして恥ずかしくないのかと聞いてみたい気もする。たまたま観ていた番組では、東京の合羽橋で包丁を購入する訪日外国人を映していたけれど、「母国に比べて安い」のは、そりゃあ当然だろうし、「四本も購入」したのはお土産なんだから一つじゃ困るだろうし、何か嘘っぽい作り話的な印象を受けます。食べ物の話題に関しても、ラーメンが安いとか言うけれど、そりゃぁ海外のそれなりのラーメン店って、アメリカでもUS$20とか$30何てざらだし、それは食材等のコストが掛かるから。日本でも購入なラーメン店も増えてきたけれど、やはり1000円前後が今の平均でしょ?
円安の影響と言うよりも、やはり3年間も事実上の鎖国みたいな状態だったから、堰を切ったように日本観光に出かけてきた、と言う人も多いと思うんですよね。それ故に、国内消費が戻ってくるのであれば、それはそれで良いことだと思う。輸入に頼る企業にとっては、円安は決して良いことでは無いけれど、輸出する企業にとっては、多分US$1=110円位の設定だった商品が、US$1=145円位で売れるわけだから、差引+35円、3割位の利益が何もしないで増えて戻ってくるわけだから、ウハウハ(古い... orz)が止まらないのでは。逆に、今度は円高になれば輸入企業が喜び、輸出企業は困るわけで、どちらも良いとか悪いと言う事は無い。そこを上手くバランスを取ってビジネスするのが、国際企業、多国籍企業の使命な訳ですからね。
少し前から、円高やコストダウンのために海外に出て行った企業が、海外でも人件費が上がってきたり、円安傾向のこともあり、再び国内に戻ってきている話をよく耳にします。円安というだけでなく、やはり国内で完結出来れば、輸送費だってゆにゅするより安くなるだろうし、スケジュールだって読めるだろうし、そう言うメリットを今は生かすべきでは。で、来年にはまた円高に戻ると言う話もあるのだから、一気に撤退するのでは無く、ある程度の設備は残すなり、将来に備えての準備というか仕込みも忘れちゃいけない。結局、今はそう言う時代だという事を再認識して、今回の経験則をどの様に生かすかが、次の時代に生き残れる企業かどうかの選別にも繋がると言えますよね。商品販売の市場開拓とか市場拡大ということは、よく言われるし気にしている人多いのだろうけど、製造元をどうするのかとか、調達元をどうするのかというのも、広い意味ではそこに含まれる話だと思う。一喜一憂する報道ばかりでは無く、そういう感じな部分をもっと丁寧に報道しないと、結局いつまで経っても「何かが悪い」としか言わないような社会になるような気がする。
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