2022年10月27日

全国拡散の課題

先週末に開催された、Xリーグ X1 Superの第四節の試合。リーグ戦も終盤となり、それぞれの試合でいろいろなドラマが有ったんですが、中でも大阪で開催された「東京ガス クリエイターズ vs otonari福岡SUNS」の試合が一寸話題に。 試合内容は、13-9という接戦での対戦という事で、なかなか見応えのある内容で、それも注目された理由の一つだったんですが、一番の話題になったのが、それぞれのチーム名に所在地(活動拠点地域)が書かれているように、東京と福岡のチームが何故に大阪で試合をするのか、と言う事。この試合、実はotonari福岡SUNSのホームゲームなので、実は福岡開催でも良かったんですよね。でも、多分東京からの移動距離の問題で、間の大阪開催になったんだろうなというのが推測。実は、再来週の最終戦を、otonari福岡SUNSは久留米で開催するんですが、その対戦相手は大阪のアサヒ飲料チャレンジャーズ。移動距離から言えば、都内近郊チームが福岡県の福岡なり久留米なりに移動するよりは短いという判断なんだろうけど。

現在12チームが所属するX1 Superですが、都内近郊(千葉県、神奈川県)は8チーム、関西(大阪、兵庫)は3チーム、福岡県が1チームという状況。数年後には、現在都内に拠点のある胎内ディアーズが新潟県胎内市へ移動すると言っているので、そうなると全国4地域に広がることに。また、一つ下のX1 Areaには、愛知県(名古屋市)を拠点にしている名古屋サイクロンズが所属しているので、このチームが昇格すると全国5地点に広がります。社会人以外にも、全国の国公私立大学にもチームがあり、北は北海道から、南は沖縄まで、アメリカンフットボールのチームは存在するんですが、関東と関西以外の地域では、多分試合開催するだけでも難しいのが現状でしょうね。ただ、全国的に認知されて人気も出るようにするためには、やはり各地で試合を開催し、出来ればそれ以外のイベント等も開催して、知名度アップ、人気獲得をしないと、結局はチームとしても長続きしないし、チーム数が減少すればその競技自体が衰退して消えてしまう可能性も。

実際に利用出来るかどうかは難しい所がありますが、日本の場合国体が毎年開催されるので、何処の都道府県にも複数の400mトラックを備えた陸上競技場はあります。大きさによっては、幅跳びの走路がフィールド内にあったりして、アメフトの開催に向かない施設もあるんですが、基本的に陸上競技場は、施設維持のためにも内側のフィールドでサッカーやラグビー等他競技も開催出来るようにしているので、実はラグビーが開催出来る広さがあれば、アメフトのフィールドも中に入るんですよね。ゴールポストも、ポストの位置をラグビー用(ゴールライン上=インフィールドとゴールエリアの境界)とアメフト用(エンドライン上=エンドゾーンと外側との境界)異なるんですが、自分の現役の頃はゴールポストをラグビー位置に設置して(そこにしかポストを立てる穴がなかった)、キックの時には10ヤード下がってプレーしたものです。最近では最初から2種類の穴を設置してくれている競技場も多いみたいで、そう言う光景は殆ど見なくなりましたから。だから、競技施設に関しては、まぁ全国的にあるんだけれど、多分実際に試合を開催するための人材(運営スタッフ)が、地方だと関東・関西からそれなりの人数移動しないと厳しいんでしょうね。それでも、福岡はまだ何とかなると思うけれど、将来的に胎内市で試合するとなると大変だと思う。でも、10年一寸前だと、結構アメフトの普及も兼ねて地方での開催もやっていて、私知っている限りでは仙台とか名古屋とかでの試合を開催したことがあります。そんな状況だからotonari福岡SUNSが、自分達の力で何とか地元開催を増やそうとしている努力には頭が下がるのですが。

ぱっと思いつくのは、例えば社会人と大学の試合を一日に共催して、施設利用料金とか審判などの人材・リソースを効率化するのと、社会人は地方大学での人材リクルートに、大学チームは社会人チームからの技術習得、みたいなWin-Winの関係が出来れば、理想的。胎内ディアーズも、新潟大学は勿論、金沢大学、富山大学等北信越の大学チームとは協業が必要だろうし、今のotonari福岡SUNSが、チーム監督が地元大学の監督も兼ねていることで、そういうところからの有望な人材発掘もしているように、長く続く連携を作る事で、逆に空白地帯の市場開拓も出来るかもしれない。それでも、福岡は、関東、関西に継ぐ大規模な経済圏・地域だからまだ可能だと思うけれど、新潟圏となるとやはり福岡と比べても厳しいだろうなぁ。そう言う意味では、関東と関西の間にある東海地区何かも有望な市場になると思うのですが、名古屋拠点のチームでもなかなか苦労しているところを見ると、浜松拠点とか静岡拠点というのはかなり厳しそう。Bリーグの三遠フェニックスも、浜松だけではビジネスが厳しいから、三河拠点になっているわけだし(母体チームが三河ということもあるけれど)。と言うか、浜松の人間って余りスポーツに興味なさそうだし(笑)。Jリーグも磐田だしなぁ。楽天が仙台に行って、あれはなかなか良い判断だったと思うけれど、試合数もチーム数も少ない国内アメフト業界に取っては、なかなか難しい事だと思います。だからこそ、otonari福岡SUNSや胎内ディアーズには成功事例として頑張って欲しいけれど。

0 件のコメント:

コメントを投稿