2022年9月20日

受け子ロンダリング

 最初何の話なのか全く理解出来なかったんですが、関連する記事を読んで理解出来ると同時に、「すげぇスキームだぁ!」と不謹慎ながらも感心してしまいました。自分なりに理解して咀嚼すると、

  1. 悪用するために利用できる口座番号収集のために、良くある「現金プレゼント」キャンペーンを展開
  2. 「当選」と称して賞金振込のために、相手の口座情報を受け取る
  3. その口座に、何故か200万円(あるいは、それなりの高額の振込)が振り込まれる
  4. 「間違って(複数人分)振り込んだので返金して欲しい、と口座主に依頼
  5. 口座主が指示に従って現金を引き出して、指定された場所に行く
  6. 多分事前に了解していただろう「迷惑料(この場合は10万円)」を差し引いた残金を渡す
  7. 実はその200万円は、振り込め詐欺で振り込まれたお金なので、知らないうちに実質的に受け子の役割を演じたことになる
  8. 警察の捜査が入り、知らないうちに受け子役をされた口座主が逮捕
  9. 本人は当然否定するが、それ故に厳しい立場になるばかり。当然、もともとの依頼主とは連絡取れず
依頼主(=振込詐欺の主犯)としては、手数料を渡す分損するわけですが、自分で口座管理したり引き出したりするリスクは限り無く軽減できるわけで、その安全料と思えば悪くない。受け子になった方としては、2万円のつもりがその5倍の10万円貰えるならば文句は無いだろうし、仮に間違って振り込まれた200万円をそのままネコババしようとすれば、連絡先も口座番号も分かっている相手(=依頼主=主犯)から「警察に届ける」とか恫喝されれば従うしか無いだろうし。いゃぁ、欲もこう言うスキームを考えつく物だと感心してしまいます。

Twitterで、リツイートしてくれたら現金上げますは、最初ホリエモンだったか、元ZOZOの前澤さんだったかが始めたと思うんですが、要するにマーケティングに利用出来るアカウント収集目的だったんですよね。そう言う実績があるから、実は参加する方も疑問を感じず抵抗感も無く参加して、自分の個人情報を晒してしまう。これ、依頼主側としては、これまでは現金振込用の口座を自ら準備する必要が有り、その手間とリスクが有ったけれど、今回の方法を使えば事実上何時でも好きなときに活用できる「クリーンな口座」が手に入るわけで、その効果は大きいでしょうね。今の時代を反映したアイデアだと思う。

ただ、昔読んだ確か「ナニワ金融道」の中の話だったと思うんですが、ヤクザのマネーロンダリングの話で、たまたま拾った宝くじで一等3億円当選を引き当てたホームレスの人に、とある人物が接触して、その宝くじを「3億1千万(だったか金額は不明。ただし当選金額よりも多い金額)」で買い取りたいという話を持ちかけられる。で、とある部屋の中でその宝くじと現金がつまったスーツケースを交換して、そのホームレスは大喜びで帰宅するんですが、実はその宝くじの持ち主はヤクザの親分で、世の中には出せない怪しい裏金を「宝くじ当選金」という裏書きされた正真正銘の「お金」として利用出来るようになったというマネーロンダリングの話でした。いゃ、そんな話は漫画の中だけの話だろうと思ったけれど、似たような話は実際にあるみたいで、満更嘘でも無いらしい。さらに言えば、その突然の大金を手にした人間も、そのヤクザ関係のお店に誘って放蕩癖を付けさせて結果的に現金回収する、というオチらしい。世の中には、色々なアイデアを思いつく人が居ると思うけれど、悪事とかの方が画期的かつ前衛的なアイデアが生まれてくるのは何故なんだろうか。やはり人間の欲が絡むと、脳の働きも違うのかなぁ。

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