2022年9月20日

キラキラネームから「輝く名前」に

佐々木俊尚氏が紹介されていた東洋経済ONLINEの記事。所謂「キラキラネーム」を母親に付けられた息子が、色々な理由から自分の判断で自分で自分の名前を変えた話。 

普通この手の話って、その名前故に差別とか虐めに子どもの頃合って、それによって成人しても悩むみたいな話がこれまで聞いた殆ど何ですが、今回の記事の話はそう言う悲壮感だったり悲劇的な部分は殆ど無くて、何か凄くホッとするというか救われた気がするというか、多分ご本人の性格の良さが全てなんだろうけど、「あぁ、こう言う世界もあるんだなぁ」と感心してしまいました。 

母親が、産んだ子どもは自分の「王子様」だからと「王子様」と名付けたと紹介されているんですが、その気持ちは分からないでは無いけれど、名前ってその子の将来を願って付けるもんじゃないだろうか。「正直に成長して欲しいから『正直(まさなお)』」とか「明るい子どもになって欲しいから『明子(あきこ)』」とか。ずっと母親とともに母親の管理の下生きるわけじゃ無いのだから、自分の気持ちを押しつけるような行為としか思えない。両親が昔ファンだったアイドルの名前を子どもに付けるみたいな話を時々聞くけれど、多分そのアイドルとは顔かたちも正確も違うだろうけど、そのアイドルを投射された子どもの方は迷惑以上の迷惑でしょうね。それと同じ話だと思う。

記事を読んで本当に救われるのは、この元王子様の性格が良かったことだなぁ。目立つ名前で、しかも直ぐに噂が広がる小さな共同体の中では、本当に目立つ存在だったと思う。そんな中でもグレること無く素直に現実を受け入れて前向きに行動しようというところが、これまでよく聞く「キラキラネーム」さんとの違いだと感じますね。そう言う意味では、お母さんの思い入れは強すぎたかもしれないけれど、ご両親も含めて家庭にも恵まれていたのだと思う。そうでなければ、

「単に親が付けた名前が珍しいというだけで目立つなんて、プライドが許さない。名を売るなら、自分の実力で勝負したい」。そのために、自分で自分の名付けをしようと心に決めた。(強調私)

こう言う事はなかなか言えないと思う。 やはり今回の件に関しては、ご本人の性格の良さ、考え方の素晴らしさ、そして行動力と全てが揃っていたことが最大の理由だと思う。

この話と比べたら些細な話ではあるんですが、私の名前は両親が付けた物では無く祖父がお世話になったヤマハの偉い人が付けた(提案した?)名前だという話を子どもの頃に聞いて、結構ショックだった記憶があります。元々は、父親の名前の一文字を取って用意していたらしいのだけれど、その偉い人が「こう言う名前は」みたいな形で祖父が聞いて来て、それで決まったような流れらしい。父親は祖父(父親の父親)の言う事にはなかなか反対できなかっただろうし、お世話になった人から聞いてきたと言いつつも、実際は多分祖父としては長男(=父親)の初めての子どもで、自分の家を継ぐであろう直系の初の男の子の誕生だったから、昔の人ですから相当嬉しくて、無理にその偉い人にお願いして名前を考えて貰ったんじゃ無いかと想像しています。そこまでしたからには、「やっぱり止めました」とは言えないだろうし。小学生の頃の「自分の名前の由来を聞いてきましょう」みたいな授業の時に、そんな話を聞いて結構ショックだったのは未だに記憶しているし、流石に今では自分の名前に抵抗感は無いけれど、未だに発音しにくい(本来の名前は発音しやすい)のだけは嫌だけれど(笑)。「名は体を表す」と言うけれど、自分自身の事に関しては、自分で名前を付ける事は案外重要かもしれない。昔は「幼名」を付けて、元服(成人)する時に実名を名乗ったけれど、案外そう言う制度が復活しても良いかもしれない。マイナンバーが機能するようになれば、生まれたときから亡くなるまで統一番号で管理出来るから、「名前」はその「エリイアス(Alias)」だと思えば、特に不思議は無いかも。そう言う時代になれば、もっと救われる人が増えるかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿