2022年7月26日

昔懐かしいSOHO

ITmediaの記事から、東京メトロが自社施設を改修して「自宅兼オフィス」 の賃貸ビジネスを始めるという記事。リモートワーク拡大の影響は、色々な業種に及んでいると思うけれど、これまでの「通勤需要」が激減して交通関係の会社はどこも大変でしょうね。その中で、JRは駅中ビジネスを拡大しているし、それは地下鉄の東京メトロも同様。さらに、鉄道会社は自社沿線の宅地開発は昔からやっていたから、そんな歴史の延長的な今回の賃貸ビジネスなんだろうか。

で、記事の初めに「SOHO」なんて言葉が登場して思わず「あぁ、懐かしい」。「SOHO (Small Office, Home Office)」という言葉が使われたのはいつ頃だっただろうか。自分の記憶では、2000年前後くらいに出始めた言葉だったように思うんですよね。その切っ掛けは、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)の普及し始めたのがそれ位で、それによってそれまでのアナログ回線での都度接続から、ADSLによる常時接続が可能になり、自宅でのビジネス利用が可能になってきたから。またNew Yorkには「SOHO地区」があって、日本からのイメージとしては先進的な芸術家が集まりお洒落な地区という感じだった思うんですが、そのイメージもあって2000年位から「SOHO」というのがちょっとしたブームになったように記憶しています。

今だと「リモートワーク」とか「在宅勤務」とか言う言葉の先駆けみたいなものなんだけれど、もう少しビジネス方向の要素が強かったというか、個人業主と数名の企業仕立てのビジネス位の感じの会社みたいな感じだった気がします。一時期、結構ブームになった気がしたけれど、そう言えば知らないうちに「SOHO」という言葉は聞かなくなってきましたね。その理由の一つは、SOHOが言われるようになって暫くしてから、日本でも「ベンチャー企業」という言葉で、数名でのスタートアップがちょっとしたブームになってきて、それに置き換えられたと言うのが自分の認識。渋谷周辺にベンチャー企業が集まっていたので、アメリカ・オリフォルにいのシリコンバレーに対抗(?)して、「ビットバレー」(渋い=苦い=Bitter)なんていう言葉が出てきたのも、2000年代前半じゃ無かっただろうか。結構日本でも新興企業が生まれては消えていた時代だから、SOHOと言う言葉は何となくベンチャーと言う言葉に変わっていって消えていった気がします。

ただ、今の時代Home Officeという言葉はもういらないんじゃ無いだろうか。どこの家庭にも、常時接続のWi-Fiや光回線も多く導入されているので、通信環境には困らない。と言うか、仕事のパソコン以上にゲーム機がガンガンネットワークを利用する時代ですからね。さらにSmall Officeにしても、自宅の一室とかガレージをオフィスにする時代から、今ではシェアオフィスの時代に変わってきているわけで、「SOHO」という言葉が死語とは言わないけれど、今の時代に復活するかと言われると個人的にはちょっと疑問。もしかしてこの企画を作った担当者は、2000年代にSOHOを体験したくらいの年代の人なんだろうか。ノスタルジーに溺れるのでは無く、今風のSOHOになれば良いけれど。

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