2022年7月12日

安倍元総理通夜

凶行に倒れた安倍元総理の通夜が昨日執り行われて、2,500人以上の人が個人のお悔やみに式場となった増上寺を訪れたというニュースを聞くと、やはり今回の事件で失った物の大きさを再認識させられます。安倍氏の政治に対しては、批判する人も多いことは事実だしその中には単なる言いがかりレベルの物屋妄想レベルの物から、傾聴するべき内容の物まで千差万別ではあるけれど、それ以上にやはり成し遂げた物は大きかったと言って良いのでは。で無ければ、8年8ヶ月という長期政権を維持出来ない勝っただろうし、しかも政権終了の理由は政策が失敗して退陣したわけでは無く、いずれも自身の健康上の理由からの退陣な訳ですからね。

安倍氏の功績で一番大きいのは、やはり外交関係だと思います。これまでの日本の総理の場合、日米同盟を堅持することが最大の仕事だったけれど、それを欧州やアジアだけでなくアフリカだったり中南米だったり、全方位的な外交手腕とその成果は歴代総理の中でも傑出した物だったんじゃ無いかと。一方で、「アベノミクス」と銘打ち日本の経済再生に関わった部分においては、就職機会が増加して失業率を大幅に改善させ、経済活動を低迷状態から上向きにさせたことは評価されるべきだと思う。ただし、「アベノミクス」で言う「三本の矢」のうち、最後の規制緩和に関しては道半ばと言うか中途半端に終わってしまい、それが結果的にデフレ脱却にまで繋がらなかったことは反省するべきだと思う。多少援護すれば、「モリカケサクラ」騒動で折角の規制緩和の空気も「忖度」とか「お友達優先」みたいな空気を生み出されてやりづらかったのかもしれないけれど。それでも、自ら定めた方向性は完遂させるべきだし、それが出来る機会もあった事和考えると、やはり経済政策に関しては残念でした。

外交関係に関しては、今回の訃報に際して世界中から弔文が届くだけで無く、各国で追悼の行動が取られるなど、自分の記憶する限りでは昭和天皇崩御の時以来の反応のような気がします。安倍氏の場合、どうしてもトランプ大統領就任前から突撃訪問をして、結果的に過去最強の日米同盟が構築されたことが一番目立つけれど、そのトランプ氏とそれ以外の首脳の間を埋める「バッファー」というか「緩衝材」というか、そう言う立場で世界の中の潤滑剤的存在だったような気がします。世界も大事だけれど其れ以前に日本国内の問題を、と言う気持ちもあるんだけれど、そこは世界第3の経済大国でもあるし、米中露という三大大国に対して意見の言える存在というものは、それ以外の九に・地域から見れば切実な存在であったんじゃ無いだろうか。奇しくも安倍総理在任中の世界のリーダーもどんどん様変わり和していて、当時の存在感は消えつつあるんだろうけど、それでも未だに期待される部分も大きかったんじゃ無いだろうか。

今朝の新聞などでも、リーダーを失った自民党の最大派閥である「安倍派」の今後が自民党だけで無く日本の政治混乱に繋がるかも的内容が有りましたが、今回の参議院選挙当選者も加えると派閥人数は100人を超えるらしく、その100人が一致団結出来たのも安倍氏のリーダーシップあればこそと考えると、次の代表が「リーダー」と言われる存在になるにはかなり厳しい気がします。二分して50人位の派閥に分かれるならまだ存在感は大きいけれど、3分裂して30人前後の派閥に分裂してしまうと、他派閥に飲み込まれるだけだろうし。次の選挙まで今の所3年間あるので、その間に突破的な政変とかある気もしますね。動機であり盟友でもあった岸田総理が、もしかしたら大化けする可能性もあるかもしれないし。個人的には、安倍氏が無くなった直後からの岸田首相の表情が、何か覚悟を決めたような一種に悲壮感というかそんな印象を受けています。これまでの「調整型」も悪くは無いのだけれど、難局を乗り切るときの大胆な決断力が必要になる時が来るのかもしれない。いずれにしても、個人の業績は正当に評価し、それ以上の世界を残った人達で築いていくことが最大の供養になると思う。 

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