石油元売り大手のENEOS HDが、NECから充電ネットワーク運営権を取得するというニュース。ガソリンを売っている会社が、そのライバルとも言うべき充電ビジネスに舵を切るというのは、何か矛盾している気がするし、的に塩を送るような感じもするけれど、そういう部分こそ時代について行けるかどうか分かれ目の判断なんじゃ無いだろうか。
ENEOSに限らず、自宅周辺等でも閉店するガソリンスタンドは少なくなく、あと何年くらいしたらガソリン車を保有することも難しくなるんだろうかと思うこともあります。日本の場合は、ハイブリッド車が普及して居るので、こちらもガソリンを主燃料にしているから、欧米よりも生き残る年数は長いと思うけれど、それでも今の充電ステーションがまばらに点在しているような状態にガソリンスタンドもなったら、ガソリン車からBEVやPHVに乗り換える人は増えるでしょうね。私も、今の車が今年車検で、取りあえず後2年は使い続けて、その間に次の車に更新するつもりですが、その車はまだガソリン車だろうけど、さらにその次の乗換となると、もうハイブリッドから少なくともPHV(プラグインハイブリッド)には以降して居るだろうなぁと言う感じ。場合によっては、もう遠出とかしないのであればBEVでも良いかもしれない。自宅に駐車場があり、充電設備の拡充も可能なので、一日に最大100km位の利用であれば、夜支度で充電して昼間利用するというパターンなら十分賄えますからね。
仮にENEOSが13,000箇所の自社GSに充電設備を完備して、充電が可能になったとすれば、既存の設備等も合わせて20,000箇所位の充電ステーションが誕生するわけで、かなり充電環境は整備されることに。でも、場所は増えても、充電時間の短縮が出来ないと一回充電するのに30分とか掛かってしまっては、やはり気軽に利用することも難しい気がしますねぇ。せめて10分程度の充電で、100km位は少なくとも走行できるくらいの充電可能にならないと、なかなかBEVに乗り換えようという気にはならない。理想は、今のGSでのガソリン注入と同じ位の時間と手間で、同じ位の走行距離が得られることですからね。でも、その部分はもう一段の技術的なブレークスルーが無いと難しいだろうなぁ。高電圧充電だけで無く、バッテリー側の進化も必要だし、場合によっては中国で実用化されているように、車内のバッテリーパック毎その場で交換するような根本的な変更が必要だろうし。
「充電に30分必要」という条件をどうしても変更出来ないのであれば、それを逆手に取るようなビジネスモデルを作る事も一つの解決策になるかもしれない。単純な例では、モールのような場所に充電設備を増やすことで、30分の間に買い物機会を提供するようなビジネスモデルは今後必要かも。カフェとの併用とか、ヘアーサロンとの併用とか「30分位の時間を消費する別タスク」と組み合わせるような仕組みがあれば、30分の待ち時間も無駄になりませんからね。それとともに、別の「充電需用」を作ったら充電設備も増えるんじゃ無いだろうか。ガソリンの携行缶への注入は時には問題になるけれど、ポータブルバッテリーへの充電も出来るような装置を付加したら、キャンプ好きとか家庭内バックアップ用にとか、BEV/PHV向けだけで無い充電機会が増えて、ビジネスチャンスが増えそうな気がする。費用対効果がペイできるくらいまであるかは不明だけれど、それ位既存の生活様式を大きく変えるつもりで行かないと、世の中は変わらないでしょうね。最も、そうやってどんどん増えていく電力需要を心配なく賄えるだけの発電設備があるかと言われれば、それは大きな疑問なんだけれど。そう言う意味では、既存の発電システムから見直さないと、中々GSからCSへという流れは生まれないかも。
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