2022年6月20日

「出社」は「出張」

NTTグループが、傘下の約3万人の社員を対象に、原則自宅勤務として、出社する場合は「出張」扱いにする新しい勤務形態を7月から始めると言うニュース。これまで同様の措置の場合だと、居住地の制限などもあったけれど、それも撤廃されるため実質的に「単身赴任」とか「転勤」も無くなる事に。かなり大胆な施策だと思うけれど、ここまでやらないと中々「リモートワーク」として完成には至らないと思う。極端な話、沖縄の実家に戻っても、東京の本社に勤務することは可能になるわけですらからね。

ただ注意しないといけないのは、NTTとして急にこう言う事を始めるわけでは無く、長年の積み重ねがあったからと言う事。特に、NTTは組織として見ると全国的にあちこち拠点があり、これまでサテライトオフェスなんかも拡充してきているから、仮に沖縄在住で東京勤務の場合でも、案外沖縄県内にサテライトオフィスが有って、わざわざ飛行機移動しなくても賄える様な体制が整っているんじゃ無いだろうか。最悪でも、福岡当たりまで移動すれば良いとか。

私も、15年ほど前に浜松の実家に戻ってきて、本格的なテレワーク(その2年前から、会社近くの自宅で仕事をする「テレワーク見習い」というか「仮想テレワーク」期間を設けて、実際の業務に問題無いか検証作業をしていた)を始めました。会社組織の所属上は横浜のオフィスにありますが、勤務地は「浜松」だし、以前のように毎週金曜日に新幹線通勤をしていた時には「国内出張(遠距離)」扱いでした。その後、「勤務先に移動するのに『国内出張』はおかしいのでは」という話が上の方から出てきて、

  1. 「国内出張」扱いだったので、毎回の出張申請が必要だったが、それは適用外とする
  2. 代わりに「出張旅費」(交通費)のみ支給して、出張手当分は支給しない
  3. 宿泊などが必要になる場合は、別途申請ベースで対応(※例えば夜間遅くまでの作業となり帰宅困難な場合)
  4. 会社出社では無く、お客様訪問等の業務の場合は、自宅からの経費を「国内出張規準」に当てはめて支給
と言うような形になっています。今回のコロナ禍で殆どの社員が同様のケースになったんですが、今年からは「交通費(定期代)」は、年間のうち一定期間出社する人を除いて廃止となり、テレワーク中心の社員は都度交通費精算することになりました。多分、NTTも同様のルールに落ち着くんじゃ無いだろうか。

ただ、現実問題として実際の仕事に合わせて移動するというのは、お客様が遠隔地にいる場合には難しい訳で、その場合にはやはり自分達が引っ越しをするとか、退職して別の仕事を探すとか、そこは色々葛藤は生まれるんじゃ無いだろうか。ただ、これまでのような転勤とか単身赴任という制限がかなり軽減されることで、そのまま会社に残る人材は増えるだろうから、企業側としてはメリットの方が大きいという事でしょうね。あと、大胆にリモートワークを取り入れることで、オフィスコストはかなり削減できるはずで、それって案外増加する出張費をカバーするくらいのメリットはあるんじゃ無いだろうか。都心のオフィスで年間の賃料が何億円何て言うのはざらにありますからね。あるいは、オフィス専用ビルで無くても、NTTだから色々なシステム用の施設も多いだろうから、そう言う場所にオフィススペースを統合するという事はありかも。例えばデータセンターにオフィス施設を併設するとか。あるいは、100%の人間がリモートワーク化出来るわけではないので、どうしても必要な人用の施設を10%とか20%とかリソースを増やして、出張してくる人が共用出来る設備にするとか。まぁ、3万人規模ともなれば、色々や利用は逆に生まれてくる気がします。まあ、NTTなら社内インフラとして通信設備は多分問題無いだろうから、それは強いですよね。リモートワークでも、ほぼどの自宅にもフレッツ光が入れられるとか、移動先でもdocomoの5Gが簡単に利用出来るとか。そこが他者には無い(出来ない)強みだと思う。それは羨ましい(笑)。

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