2022年6月2日

「反対理由はない」と言うけれど

地元でも、夕方のローカルニュースで結構大きく取り上げられていた、川勝平太静岡県知事のリニアに関する発言。JR東海側が新たに大井川への水量回復対策を表明したからか、あるいは知事へのリニア反対の風当たりが変わった北野か、自分が記憶する限りではこれまでで一番リニアに対して前向きな発言のような気がします。

それ以上に驚いたのは、「リニア建設促進期成同盟会」なるリニア建設の促進団体に参加する意向を表すということ。リニア沿線都府県で、唯一「リニア反対」を謳っている自治体のその中心人物からそう言う言葉が出てくるとは意外な気がする。記事で初めて知りましたが、3年前には断られているんですね。あれから状況的には殆ど変わらないというか、逆に開通予定が遅れるなど悪い方向に向いているので、今回はどうなるんだろうか。

記事では、川勝知事はリニア開通により静岡県内停車の「ひかり」「こだま」が増えるので、「開通に反対する理由は無い」と伝えたとなっているけれど、それは以前から主張しているところで、それに加えて富士山静岡空港直下への新幹線新駅設置とか、のぞみ号停車とか、これまでも色々行っている話。今の「のぞみ」を有る程度代替するリニアなので、「のぞみ」の本数を減らして「ひかり」「こだま」が増える事も有るだろうけど、「のぞみ」に主要駅以外に停車する「準のぞみ」みたいな運行が可能になるかもしれない。リニア停車駅が無い静岡県としては、そう言うメリット享受しか期待出来ないけれど、其れ以前に全体的な利益を考えたら、東海道新幹線のバックアップとしてのリニア新幹線は、やはり必要だろうなぁ。

JR東海の新しい水量保証の提案は、工事で出た水を戻すのでは無く、失われる水量と同量の水を別の方法で保証するという提案で、それに対して川勝知事は「水が違う」と反対したと思うんですよね。でも、同じ大井川水系の中で水野やり繰りをするわけだし、極端な話、例えば軟水の大井川の水の代わりにどこか別の場所の硬水の水を戻すわけじゃ無いから、生態系破壊と言う事も無いだろうし。どう言う話合いがされたのか分からないけれど、自分の主義主張を言うだけでは首長として失格だと思う。それよりも、問題点があるならそれを指摘して、その中でどう言う解決策が可能なのかもっと早い時期に話合いが出来ていたと思う。確かにJR東海側の対応に問題無かったとは言えないかもしれないけれど、結局はそれを理由に県側も時間伸ばしをしてきたように思うんですよね。そんな中で、初めてとも感じる知事の発言だけに、是非責任を持って問題解決に臨んで欲しい。 

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