2022年6月16日

焼いてこそ「焼きそば」

47年もの大ロングセラー商品、東洋水産の「マルちゃん焼きそば」の話。そんなに気にしたことは無かったけれど、推定だけれど1日に27万袋も生産しているのかぁ、凄いなぁ。最近は、PBブランド等で焼きそば麺とかも色々あるけれど、スーパーで買うときには何となく手に取ってしまうのが、この「マルちゃん焼きそば」。それだけ馴染みがあるものであることは確か。

「焼きそば」というと、今だと例えば「ペヤングソース焼きそば」とか「一平ちゃん焼きそば」 とか、カップ焼きそばが主流な気がするんですが、個人的にはあの「湯煎した焼きそば」っていうのが一寸苦手。何で「焼いていない」のに「焼きそば」と言うのかと小一時間(笑)。味的には、添付されている焼きそばソースとか掛ければ、確かに焼きそばの味にはなるんだけれど、湯煎した麺の食感って、やっぱり茹で上げて湯切りしてそれを炒めた麺の食感とはかなり違うと思うんですよね。今でも覚えているけれど、初めて「インスタント焼きそば(多分ペヤングかなぁ)」を食べた時、お湯を捨ててソースと青のりを混ぜて一口目を口に入れた時、舌に感じる味覚は「焼きそばソース」なんだけれど、歯で感じる食感が「ラーメン(それも、インスタントラーメンの麺)」の食感で凄く違和感を感じ事を覚えています。確か、ラーメンの麺と焼きそばの中華麺は作り方も素材も違ったと思うのですが、さらに焼きそばはフライパンで炒めるので、麺の表面も少し堅いというかパリッとした部分があるのに対して、ラーメンの麺は基本啜って食べますから、縮れていても滑らか。だから、カップ焼きそばって「ラーメンの麺だけを焼きそばソースに絡めて食べる」様な違和感を感じるんですよね。

そんな原体験もあるので、実はカップ焼きそばって初期の頃に本当に何回か食べたことが有るだけで、以後もう何十年も食べたことがありません。インスタントラーメンやカップラーメンは、最近ではも食べる機会があるのと比較すると、全く経験値が雲泥の差。さらに焼きそばの場合は、インスタントラーメンと比較しても、多分野菜や肉を準備したり、フライパンで炒めたりする手間は、焼きそばの方が多いと思うけれど、あんまり苦にならない気がするんですよね。後始末だって、ラーメンだと鍋を洗ってお終いだけれど、焼きそばのフライパンは一度お湯を入れて沸騰させてキッチンペーパーで油分を取り、ササラで綺麗にしてからから焼きして水分を飛ばして、最後に油を薄く塗ってまでやらないといけない。それだけ手間も掛かるけれど、それでも「焼きそば」に関しては、焼きそばの生麺を買ってきて、自宅でフライパンを振って炒めて作る事が手間とは感じないのは何故なんだろうか。あっ、そんな「マルちゃん焼きそば」なんですが、一つだけ不満なのが同梱されているソースが「粉末ソース」なこと。これ、振り掛けて混ざるときに結構丁寧に混ぜて炒めないと、中々全体に絡まないんですよね。私、麺がべちゃっとなるのが嫌いで(だから、カップ焼きそばも好みに合わないのか)、麺を炒めるときもほぐすときに水とか加えないで炒めて、野菜類の水分で麺をほぐすようにしているんですが、そう言う状態だと粉末ソースだとちょっとダマになったりして使いにくい。液体ソースだと全体に絡まりやすいけれど、こちらもフライパンが熱すぎると直ぐにソースが焦げてしまうので、こっちも難しい事には変わりないのですが。浜松に戻る前までは、ずっと自炊をしていたので、結構パリッとしつつしっとりして、全体にソースが美味く絡まった焼きそば作りを日々研究していました(笑)。

で、結構前だと思いますが、たまたま観ていたテレビの番組で、プロの料理人による焼きそばの作り方みたいなコーナーがあったんですよね。そこで目から鱗だったのが、フライパンに油を入れて熱して、そこに焼きそばの中華麺を入れたら、薄く広げるけれど決して混ぜずに、そのまま片面を「焼く」という手順。少し油で揚げ焼きみたいな感じになって、その部分はベビースターラーメンみたいな感じになるくらい、まず「焼く」。その後ひっくり返して反対側の麺も有る程度焼いてから、具材を入れて麺をほぐしながら炒めて、最後に調味料で味付けをすると言う手順。「焼きそば何だから、ちゃんと麺を焼かないと」みたいな事を、その料理人の人が言っていたんですが、なるほどなと感心しました。麺を入れて「炒める」じゃ、まだ足りないのか。一度麺を「焼いて」あげないと駄目なんだと。で、最初の油で揚げ焼きしたみたいにカリカリになった部分も、その後野菜とかの水分でしんなりするので、決して堅焼きそばを食べているような感じにはならない。やっぱり「焼きそば」の醍醐味、美味しさは、この「焼いた麺」だよなぁと思ってしまうので、ますますカップ焼きそばからは距離が離れていくんですよね。そう言う意味でも、マルちゃんにはこれからも頑張って欲しい(笑)。

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