2022年6月13日

「AFロック」と「置きピン」

ITmediaの記事から、荻窪圭氏の記事から、今使われなく成りつつある「AFロック」と「置きピン」テクニックについて。私はアメフトの写真を時々撮影したりするので、このどちらも未だによく使います。被写体の種類によって、撮影テクニックはかなり違うと思うし、その中でもスポーツ一つ取っても、室内競技と屋外競技はかなり違うし、 屋外競技でもサッカーとアメフトでもかなり違うと思う。

AFロックの場合、これはサッカーとかラクビーなんかでも同じだと思うのですが、例えば最初にQBにフォーカスを当てて、次にRBとかWRに被写体を写す場合、距離が違いすぎるのでどうしても直ぐにフォーカスが合わない場合も有りますし、別の選手が手前に入り込んでそちらにAFが移動してしまうこと。特に困るのが、オートフォーカスがウロウロしてしまって、プレーが終わってしまう場合も。その場合は、被写体の距離が有る場合は多少のピントずれは覚悟して、最初にAFでピント設定してAFロックして、プレーの最初の部分はそのまま連写することがあります。これだと、手前に審判とか別の選手が走り込んできてもAFが動かないので、その奥のプレーは選手の陰に隠れても、そこから抜けてきたときにはそのままAFが維持されていて、プレーが続けて撮影出来ます。ただし、大きくゲインするような場合には、AFロックだと最後はピンボケになるので、最初のコンマ何秒はAFロックにして、後はAF追随で選手やボールを追っかけないと、被写体は捉えていてもピンボケを量産する事に。

置きピンが活躍するのは、キックオフの時かなぁ。ボールを於いたときに、そのボールもしくはボールセットをするキッカーにピントを合わせておき、キックオフが始まるときから蹴り終わってボールの行方を確認するキッカーを撮影するまでが一連の儀式みたいなもの。勿論、高性能のAFがあれば最初から最後まで撮影出来るときもありますが、AFの追随スピードとキッカーの走り込む素ビードが違うとAFがずれる場合もあるし、あと、やはりキックする瞬間にピントは合わせたいので、私は殆どの場合キックボールへ置きピンをして撮影しています。まあ、結構特殊なスポーツの特殊な場合なので、一般的では無いと思うけれど。

こう言う技術は、自分で試行錯誤して覚えた物なんですが、後からスタジアムでご一緒するプロの方などに話を聞いて、覚えた方法等も。素人がプロの方に現場で質問するのは、相手の仕事の邪魔をしているような気もするので遠慮しがちなんですが、どうしてもこう言う写真を撮りたいと言うときには勇気を出して聞いてみたり(笑)。でも、プロの方と言えども、そんなに凄い技を持っているわけでは無くて、結局は長年の経験による勘と慣れ何ですよねぇ。言い方を変えれば、場数の桁違いな違いが、やはり作品には影響は大きいと感じますね。そういう部分は、他の産業もそうだけれど、例えば自動化とかAI化等でカバー出来る部分も多いのですが、それが全てを解決してくれるわけでは無い。「職人技」と言うと今では嗤われるかもしれませんが、でも結局はそれが一番確実で一番基本的な動作になるんじゃ無いかと思いますね。今度試合の時に、また確認して見よう。

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