2022年5月12日

マスクの無い夏

新型コロナウイルス対応では評判が悪かった(と、個人的には思っている)東京都医師会が、これからの暑くなる気候も考慮して、屋外で十分に距離が取れる場合にはマスクを外すことを提案。それも含めて、現在の制限に関して段階的に解除することを求めるという。G.W.明けで、G.W.中の人流が影響して、今週は前週よりも多くの新規陽性者数が発表され、まだまだ新型コロナウイルスの終息は見られないけれど、元々の目標であった「with コロナの生活様式」に対して、特にワクチン接種を中心として環境整備は整ったことも言えるんじゃ無いだろうか。

国民の8割がワクチンの2回目接種が済み、 3回目接種も昨日時点で約55%が完了。陽性者数は以前よりも増えていても、重症化率は下がってきているので、それと経済活動とのバランスを考えると、「共存可能なリスク」と言える状態になったと考えていいんでしょうね。ただ、一足早くマスク解除した欧米では、再び感染者数が増加したり、新型コロナ以外の疾患が増加したりと、マスクや手指消毒等の基本的な感染症対策で押さえられていた新型コロナウイルス以外の感染症が戻ってきていて、全体としてはリスクは高まっている気がします。ただし日本の場合は、これまでの死亡者数に対して、新型コロナウイルスでの死亡者数の増分=超過死亡数は増えるどころか減っている場合もあり、マスクを始めとした感染症対策の効果を改めて認識したところ。マスク解除となったら、その分が戻ってきて、それを理由にまた変な議論が生まれなきゃ良いけれど。

マスクの有無も含めて、維持派・解除派の議論を聞くと、どちらもそれぞれのゴールに極端にシフトした言い方をしているのが気になるところ。例えば新型コロナウイルスの5類2類の話は、今でも出てくるんですが、現状インフルエンザと異なる物を同一に扱うという所には無理があると私は思うんですよね。将来的には、既存の分類方法に当てはまるくらいにまで落ち着くんだろうけど、今はまだインフルエンザみたいな薬局で手軽に購入出来る用な薬も無いわけですし。特に個人的に危惧しているのは、インフルエンザでは殆ど聞いた記憶の無い「後遺症」に関して。インフルエンザでも、確かに高熱を出してその後難聴になったとかいう話は聞いたような記憶はあるんですが、新型コロナウイルスは味覚障害、嗅覚障害、記憶障害等、これまで聞いたことの無いような後遺症の話が今でも聞かれます。それを、リスクとしてみんなが受け入れるなら良いけれど、少なくとも現状では決して無視できるくらいのリスクでは無いと思うんですよね。だから、2類とか5類とか、これまで規準では分類出来ない要素があるのだから、新たに新型コロナウイルス用の分類、例えば「5類A」とか言うみたいな感じで、2類と5類の折衷案みたいな物が、今は必要なんじゃ無いだろうか。

以前ほどでは無いけれど、今でも時々報道番組とか情報番組に医療関係の人が登場して、制限緩和しろ、いやまだ早いみたいな論争を繰り広げます。もう少し現実的な発言というか、互いに一理ある部分は認めて折衷案なり、妥協点なりを見つければ、それは今の厳しい状況・環境よりは緩やかで過ごしやすい物になることは確か。まずは少しずつ前進する事を互いに考えた方が、結局は全員の利益になると思うんですよね。何か、自分の意見が認められないのは怪しからんみたいな言い合いが、別に新型コロナウイルスに限ったことでは無いけれど、ずっと続くことが凄く無駄な時間だと感じます。そう言う意味で、新型コロナウイルスの象徴的な物の一つ「マスク」の制限緩和が出てくる事は、良い傾向なんだと思います。ただし、外では不要でも、室内では必要となると、結局はマスクは何時も持ち歩く必要が有るし、そこはさらにもう一歩進んだ議論をして欲しい。例えば、室内でも換気がしっかりしていて、かつテーブルやカウンターの間隔が十分に取れられていて、かつ大声での会話や他人同士の会話をしない場合には、マスク無しでの飲食可能、みたいなところまで進めて欲しいですよね。少なくともこれからのシーズン、オープンテラスの席ならばマスク不要くらいは言っても良いんじゃ無いだろうか。今年こそは、マスク無しの夏が戻ってきて欲しい。

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