2022年4月7日

ネットリテラシー

東洋経済のサイトから、ジャーナリストの佐々木俊尚氏の記事から、所謂「ネットリテラシー」に関して、陥りやすい五つの共通点に関して。ビジネス関係では、多分久々のヒット書籍と言って良いのだと思う、佐々木氏の著書「読む力 最新スキル大全」の、超圧縮版みたいな内容。

思い返してみれば、「ネット」っぽい物との一番最初の出会いは、小学生高学年の頃~始めたアマチュア無線(HAM)かもしれない。リアルタイムに不特定多数の人と会話すると言う事が出来るのは、当時はHAMしか無かったと思うし、凄く限られたコミュニティではあるけれど、今のネットのように色々な話題に関して話をする場でもあったし。その後、パソコン通信に入り、大学ではNews Groupがあり、社会人になると当時の会社の中には専用のBBSみたいなシステムが社内システム上に構築されていて、それにずっぽしハマり(笑)、その後はインターネットの時代に入るわけです。ただ、やはり古い世代だからか、最近のSNS特にLINEとかtwitterのような、Instant Messgae系の媒体にはどうも興味が沸かないのが玉に瑕かも。

佐々木氏が挙げている五つの共通点は、

  1. 肩書きで情報の正誤を判断する
  2. 情報元を固定してしまう
  3. 情報元を限定してしまう
  4. 「秘密の情報」を信じてしまう
  5. 知人の情報を信じてしまう
なんですが、もう少し大きな括り方をすれば1番と5番は同じカテゴリーと言えるし、2番と3番も似ているし、さらに言えば4番以外の4つは、情報の内容以前に情報元の属性で判断するという意味では大きな意味で一つのカテゴリーと言えるかもしれない。

面白いのは、4番は自分が知らない場所からの情報という属性が、その情報の確からしさを担保しているのに、それ以外の4つの項目は、自分が知っていて(良くも悪くも)信用している情報源からの情報だから信用するという、相反する理由なんですよね。例えば、自分の知り合いの言葉しか信用しないのであれば、出所不明な「秘密の情報」なんて本来は見向きもしないはずなのに、つい「実は斯く斯く然々の」と言われると、疑いながらもつい耳を傾けてしまい、何故かその希少性が信用度に変わり、かつ他者に知られる前に自分の利益にしようという焦りが生まれるのか、ついつい疑いながらもその情報にハマってしまう。テレビ等で何度も注意喚起されても、「自分だけは大丈夫」と高をくくり、でもいざそう言う場面に遭遇するといの一番にハマってしまうのが、この手の「秘密の情報」系の落とし穴じゃないだろうか。私も、これまでの経験や仕事柄、この手の誘惑にはそれなりに耐性がある方だと思うのだけれど、それでも極たまについ「えっ、お得じゃん」みたいな気持ちが湧き出ることがあって、「いかんかん」と我に返ることも(笑)。

情報というのは、伝わってきたときには必ず某かの「ノイズ」が含まれるもので、かつそのノイズが「雑音」と明らかに割る形では無く、「それらしい擬情報」に変化していることが多いんですよね。何かの時に聞いた話で、100%の嘘は通じないけれど、そこに何%かの「事実」が含まれた嘘は信じられるみたいな事がありましたが、多くの場合は99%正しくても1%の嘘や虚偽の内容が「事実」として伝搬してしまうから達が悪い。逆に言えば、その1%を見抜いて判断出来る能力を身につけないと、今のネット社会では安心して生活出来ないという厳しい状況なのかも。佐々木氏は最後に、情報洪水自体だからこそ真の情報力が重要と締めくくっていますが、それが中々大変なんですよね。個人的には「多くの視点で考える」ということは、別の言い方をすると「まずは疑問を抱け」という意味だと思っていて、少なくとも鵜呑みにはしないし、例え自分と同じ考えであっても、必ず検証する癖を付けることが重要だと思っています。そう言う気持ちは、どんな分野の情報に関しても忘れないようにして実戦していくことが、今一番必要なリテラシーだと思いますね。

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