2022年3月25日

無知を恥じるな、しかし無知を誇るな

東洋経済サイトに掲載された、佐々木俊尚氏のコラムから、佐々木氏の経験からのSNSを使う三つのメリットと一つの大きなやってはいけない行為について。既に色々な形で佐々木氏が発信されている事のまとめみたいな内容だと思うのですが、氏のノウハウが凝縮された中身の濃い記事だと思います。 

私自身はtwitterは好きじゃ無いので、利用するどころかアカウントすら作っていないのだけれど、まぁここに書き込んでいる与太話や備忘録は、ある意味その代替手段みたいな物。自分自身は、有益な情報の共有というよりは、一番の目的は先ずは自分の備忘録として記録に残して後からでも参照出来るようにしたいという、佐々木氏の言う1番目のメリットが一番の理由。記憶するには限りが有るし、忘れもしてしまう。だから、後から参照出来るように某かのポインターを置いておけば、何時でも巻き戻して思い出すことが出来ると思っています。今ならGoogleで検索すれば同じじゃんと言われそうだけれど、母集団の広さが桁違いですから、検索するにしても戻ってきた結果を精査するだけで疲れてしまう。その点、自分で有る程度絞っておけば効率的だし、それだけでも後から思いだす事もありますし。言ってみれば、Googleに対しての某かのキャッシュみたいなものと思えば良いんじゃ無いかと。

もう一つの大きな理由は、やはり自分の頭の体操というか、一つの譲歩に関して色々な思考をすることで、老化防止にもなるし知見を広げることにも繋がります。一過性で終わらずに、兎に角毎日続けることで、考え方というか物事を理解するプロセスを常にリフレッシュしていたという言い方も出来るかも。そしてそれは、佐々木氏の言う2番目の「続けること」と同等じゃ無いかと思うんですよね。ただ私の場合は、精神的に「今日は一寸」と思えば、その日は休むことも最近はするようにしています。以前は、あのことも書き留めたい、このことも記載したいと一日に三つの話題だけでは足らずに困るくらいでしたが、最近はそう言うレベルまで行かずに、「今日は何の話題も無いなぁ」と感じる事も。本当は、そう言う場合でも佐々木氏のようにいつものルーティンワークとして情報の中を彷徨することが重要なんだろうけど、自分はそこまではせずに休む時は休む、やる時はやるというメリハリの方を重要視しています。でも、一番重要な事は、それでも一日一日続けて行くことでしょうね。某予備校のスローガンで「継続は力なり」というのが有ったけれど(笑)、あれは色々な意味で真実だと思う。

佐々木氏の三つ目のメリットとして「ギバー(Giver)を続けて新しい出会いが生まれる」事を上げられています。まぁ、あの人に聞けば何でも分かり、この話題ならあの人が専門家、という評価が定着すれば自ずと発信することが増えて行き出会いも増えますが、割る言い方をすればそれだけ利用される立場にもなるとも言えるんじゃ無いかと。言い方は悪いけれど「便利屋」とか「よろず屋」みたいな扱われ方をして、嫌気がさして去って行く人も多い気がします。ただ、公にするかしないかは別にして、自分からアウトプットすることは重要な事で、その理由は自分の持っている知識や経験は、自分の中にあるうちは単なる「情報の複製」でしか無いのだけれど、それを自分の口で伝える事で初めて「自分の知識化」されると思うんですよね。人に教える経験のある人なら感じていることだと思うんですが、幾ら自分の知っている知識であっても、それを知らない人に理解して貰うためには、覚えていることをそのまま伝えるだけじゃ駄目で、色々加工したり補助情報を付加したり、場合によっては言い換えたりと、自分の中でかなり咀嚼して伝えないと、相手に理解して貰えないことが多いはず。それは、大変なことなんだけれど、それによって実は自分の言葉になった知識から寄り深い理解が生まれたり、新しい知見に繋がったり、自分自身に対しての見返りも大きいんですよね。だから、ギバーになるかどうかは別にして、インプットしつつアウトプットもして行くことは凄く重要だと思う。

気になるやってはいけないNG行為は、マウンティングする事とのこと。これは別にSNSで無くても、人と人との交渉事とか話し合いの場では当然のマナーというかお作法だと思う。ただ、SNSの空間がそうなりやすい、それを誘発しやすい環境であることは事実だと思うし、一方で情報を受け取る側の態度や対応も実は相手への敬意というか「教えて貰う」という意識が希薄である事も、そうなりやすい条件を生む要因になっている気がします。例えば、名人とかベテランの職人さんに教えを請う場合に、そんな態度を取ればけんもほろろに相手にされないだろうけど、ネットでは相手の顔が見えないこともあって、中々そういう関係には成長しない。と言うか、相手が見えないから自分目線で相手も見てしまうことが一番の理由じゃないかなぁ。何度か書いているけれど、昔聞いた名言で「無知を恥じるな、しかし無知を誇るな」というのがあったんですが、まさにその通りだと思う。結局は、ネットだろうと現実社会だろうと、謙虚に継続することが、何事においても基本だし重要だし要諦だと思う。

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