2022年2月16日

空飛ぶ車とVTOL機

ANAが「空飛ぶ車」の事業化に向けてアメリカのベンチャー企業と連携するというニュース。 このペンチャー企業、ジョビー・アビエーション(Joby Aviation)社は、5人乗りの機体を開発していて、六つの回転翼を持ち垂直離発着は勿論、水平飛行に移ると素プロペラが前に倒れて、通常の飛行機のようなモードで飛行できるらしい。その為、5人乗りで最高時速は320km、飛行距離は240kmという性能らしい。例えば現在1時間程度かかる新大阪駅から関西空港への移動も、15分程度に短縮可能らしい。この会社へはトヨタも出資しているので、ANAとトヨタで、飛行前後の移動に関しての協業もありそうという話も。ここにヤマハも加わって自動運行のボートとか加われば、陸海空制覇出来るかも(マテ)。

「空飛ぶ車」といつものように言うけれど、結局これって小型のVTOL(Vertical Takeoff and Landing)機ですよね。エンジンがモーターで燃料代わりにバッテリーで動くのだろうけど、可変翼を備えたVTOL機。最近ではかなり下火になったけれど、あの「オスプレイ」と同じ系統の機体な訳なんだけれど、なんでオスプレイほどの反対意見や反対運動が出てこないのだろうか(棒読み)。使われている技術は異なるものなんだろうけど、垂直離発着して空中を移動して、人や貨物を輸送すると言う部分は全く変わらない。そう言う意味では、あれだけオスプレイの危険性を言っていた人達は、今こそこの「空飛ぶ車」の危険性を声高に叫ばないといけないはずなのに。でないと、この空飛ぶ車が実用化されて、それなりに国内のあちこちで飛び始めるようになると、「オスプレイ反対」と言えなくなってしまいますから(マテ)。

まぁ、「同じ」と言っても理論的・デザイン的に同系統の乗り物と言うだけで、内容は大きく異なることも事実。オスプレイは、二つの回転翼(プロペラ)を持ち、主翼の途中から回転してプロペラの向きを変更するようになっていて、どちらかというと飛行機の変形という印象。一方「空飛ぶ車」の殆ど、4つとか6つとか多くの回転翼を持ち、その回転翼はほぼ上向きで固定されていて、微妙に傾けることで移動する推力を生み出しているデザインが多い気がします。元々はドローンを参考にして生まれてきているからでしょうか、どちらかというとドローンのお手本となるヘリコプターに近い気がします。さらに、オスプレイは内燃機関でプロペラを回転させるけれど、空飛ぶ車はモーターで回転させて動作するものが殆どでしょう。だから燃料も異なるわけで、その辺りが「飛行機」と「車」の分かれ目だろうか。でも、どちらも移動するのは空中なわけで、多分その操縦には今のパイロット少なくともヘリコプターの免許程度の技能が必要だろうから、車のように免許を取得して言うほどの手軽さは無いだろうなぁ。逆に、エネルギーが航空燃料で無く電気であるから、離発着の場所としては飛行場のような大げさなもので無くても良いのはメリット。でも、今だったヘリコプターの離発着上はビルの屋上とか比較的色々な場所に設置されているから、結局はヘリコプターの代用に成るのかなと言う気がしています。

ヘリコプターと比較して、多分機体コストは下がるだろうからその分利用料金も安くなる可能性が有ります。また燃料も航空燃料で無く電気が使えるなら、そのぶんもコストダウン繋がるだろうし、燃料備蓄に関してもより手軽に出来るから、周囲の安全確保さえ出来れば、極端な話駐車場の中にターミナル(離発着上)を作って、移動もスムースに出来るようになるだろうし。そう言う意味では、今のヘリコプターよりも短い距離を迅速に多頻度に空中移動出来る交通システムとして整備されるのが一番あっていそうな気がします。例えば大阪万博で想定されているような、会場と大阪駅や新大阪駅あるいは関西空港との移動手段。将来的には、成田と羽田を高速で接続するシャトル便とか、成田と品川リニアの接続なんかも需用はありそう。あるいは、トヨタも絡んでいるから、羽田/成田/東京駅等から裾野のウーブンシティを結ぶとかもありかも。先ずは大阪万博での実用に繋げて欲しい。

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