ウクライナとロシアの国境紛争。 ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州で実質的に権力を有する新ロシア派が中心となる「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」なるものが誕生して、それをロシアが「国家承認」し、平和維持軍を派遣することに。私は全くこの辺りの知識も情報も無いけれど、凄く素朴な疑問として感じるのは、「独立したのは良いけれど、誰が大統領で誰が責任者なのか、当事国の詳細が無く、ロシアのプーチン大統領だけが承認している」という不思議さ。
いきなり横道に外れますが、「独立国」と聞いて思い出すのが、かわぐちかいじ氏の「沈黙の艦隊」。ここでは、日本発の原子力潜水艦「やまと」が突然「独立国やまと」を宣言するという話ですが、この時は先ず独立国の詳細があって、先ず日本が承認するという筋立て。しかも、完全なオープンな形で海江田四郎国家元首が宣言するシーンも。今回も、一応両人民共和国側からの「独立宣言」とか「国家宣言」みたいなものは有ったんだろうけど、その肝心な場面が海外のニュースソースには流れたんだろうか。日本国内のメディアには流れないとしても、海外のメディアでは流れたんだろうか。
ネットを見ていて一寸面白いと思ったのは、いつもはワンペアの形でロシアと強調する中国が今回静かなのは、同じ事を台湾がやったら反対できないからという意見。なるほど、何処の国がロシアのような後ろ盾になるかは問題があるけれど、台湾が独立を宣言してそれを例えばアメリカ辺りが承認したら、中国としては文句を言えなくなる。だから、表だって賛成は出来ないけれど、反対もしないと言うのが今回の中国の立場なんでしょうね。こういう所が、右手で握手をして左手で殴るという国際協調の一面を見ている気がして面白い。
日本でも、沖縄が琉球王国として独立をなんていう話が出てきたりするけれど、ああいうことを言っている人達はどう見ているのだろうか。沖縄の場合、完全に島嶼地域で周りは海なので、「独立」はしやすいけれど「孤立」にも傾きやすい条件が多いでしょうね。今回のウクライナの場合は、陸続きだから人も物の移動も何とかなるけれど、海上交通敷かない場合は、何もしなければどうしようも無い。しかも、最寄りの九州からも距離があるし、一番近い台湾とも距離があるし。逆に台湾も同じように島国だけれど、中国大陸との距離(金門海峡)は近過ぎるので、ちょっと条件が違うでしょうね。いずれにしても、ロシアは少なくとも退くことは無いだろうし、場合によってはさらに侵攻してウクライナ併合くらいのことは考えているかもしれない。人民共和国を言っている勢力はごく一部で、多くのウクライナ国民はロシアに反発しているらしいけれど、コロナ禍が終息しても、今度はこの国際的な問題で世界社会の混乱が続きそう。
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