2022年2月28日

民間リソースの活用

今回のロシアによるウクライナ侵略戦争に関して、最初にロシアのミサイル兵器によりウクライナの防空網や通信設備が破壊されたと伝えられたんですが、実際にはその影響は(素人目には)そんなに大きくないように見えます。例えば防空網に関しては、NATO各国やアメリカ等が黒子的に情報提供しているのかもしれないし、通信インフラに関しても、レーダーサイトとか中継局は破壊されたかもしれないけれど、事前に迂回回路や代替回線などが準備されていて、それで何とかバックアップされているのかもしれない。

兵力では元々の機微にしても事前準備にしてもロシア側が圧倒的だけれど、情報戦に関してはウクライナ側もそんなに負けていない気がします。例えば通信関係に関しては、アメリカSpaceX社が提供する衛星通信網Starlinkが、ウクライナ側に提供されているという話もあり、それがあれば軍用・民用ともにそれなりにカバー出来るのだろうか。航空機の移動に関しても、場合によってはFlightradar24やGoogle View何かも利用可能らしいし、正直軍用リソースのかなりの部分を、今は民生技術やサービスで賄える時代になりつつあるような印象を強く受けます。

もう一つ印象的なのは、ウクライナ側からは市民や政府から戦況の様子がSNSにどんどんアップされていて、勿論中には偽情報やおかしなものも有るけれど、ほぼリアルタイムに戦況の様子を世界中から知ることが出来ます。一方でロシア側からの情報は殆ど無く、有っても政府発信のものばかり。作戦行動秘匿のために、スマホと言ったような情報端末の所持が許されていないので、当然ロシア側からの発信は殆ど無い。ロシア国内では、国営メディアによる一方的な放送しかないから、多くのロシア国民は実際の様子をメディア経由では知ることは出来ないけれど、伊倉ロシアでもSNSは有る程度利用出来るわけで、しかも同じ言葉を話すウクライナからの情報となると、結構インパクトが有るんじゃ無いだろうか。ロシア国内でも、今回の戦争に対しての反対行動が大きくなっているそうですが、今後このうねりが大きくなる可動が、停戦にと終戦に向けての大きな鍵になるのですが。

ウクライナとロシアは、ベラルーシ近郊での停戦交渉に同意したというニュースが今朝流れているけれど、ここで某かの同意なり前進が生まれるか個人的には懐疑的。ロシア側は、ウクライナの全面降伏から一歩も引かないだろうし、ウクライナ側としては仮にロシア派が多い東部の一部を割譲したとしても、その他のうくらない本体は守りたいだろうし。どちらも、時間稼ぎ的な効果しか期待していないんじゃ無いだろうか。ウクラナイ側としては、やっとNATOから届く武器弾薬補給の余裕が出来るだろうけど、ロシア側も噂で言われている兵站の疲弊を直す余裕が生まれて、これまで以上の攻撃が無いとは言えない。ウクライナ側に何らかの勝機があるとすれば、戦闘を長引かせてロシア側の兵站を疲弊させる事くらいだろうから、あえてさらに犠牲を払ってまでそこまでやるかどうかは不明。特にロシアは、核の使用についても早い段階で言及しているだけに、その引き金を引くタイミングを加速させることにもなりかねないし。いずれにしても、日本時間の今晩行われる停戦交渉で、少なくとも戦闘が停止し、ウクライナに先ずは平穏が訪れることを祈りたいですね。

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