2022年2月20日

ハレーションで水増し

「鬼滅の刃」は、全く観ておらずその内容も分からないけれど、その第三部(?)の新シリーズに関してのネットでの話題に関しての記事(ブログ)。まぁ、決して新しい話題ではないし、今では「常識」とも言える、「メディアによる情報のハレーション」 。

メディアに限らず、政治の世界中でも極々少数の意見なり要望を「国民の要望」とか「〇〇全員の総意」みたいな言い方をすることが結構あるんだけれど、それは同化といつも感じる所。勿論、弱者救済とか少数意見の尊重と言う事は重要な話ではあるけれど、そうであっても現実を正しく認識して現実に即して伝えるのであればまだしも、逆手に取って寄り悲惨さや厳しさを強調するのはある意味卑怯なやり口の様に感じます。

今回の場合は、入浴シーンに関しての話題をことさら強調して、しかも捏造と呼べるような扱いもして、話題を膨らませているという話。何故そんなことをするかと言えば、炎上することで自社の記事に誘導して、そのぶんPVを稼ぐことが目的だから。メディア側としても、出来るだけネットメディアに対してのアクセスが増えれば良いわけだから、その意見なり記事の内容の真偽や正誤は関係無い。どれだけ話題になるかが、ある意味勝負と言える状態が、悲しいかな今のネットワーク、特にオールドメディアやメガシーメディアが好んで使う手法になりつつあります。今回の件だって、本来ならば「入浴シーンを指摘する声もあるが、それは今の所ごく少数で、多くはそれらも含めた新シリーズへの期待をノベルものだった」くらいが正しく公平な表現じゃ無いかと思うんですね。でも、それでは話題になる記事にはならない。

もう一つこのコラムで注目すべき点は、そのメディア発信の情報を増幅して拡散する「ポータルサイト」の存在意義について言及しているところ。通過点であるポータルサイトの存在は、末端の情報受領者から見ると見えにくいというか、忘れ去られがちな存在何だけれど、情報拡散という意味ではその存在は非常に大きい。単に、一人が発信した情報が到達出来る範囲は、よほどのインフルエンサーで無い限りは、数千とか精々数万も有れば良いところ。所がポータルサイト経由となると、それが何百万とか何千万というポイントに到達可能になるわけで、となるとその情報の内容よりも、どれだけポータルサイトに掲載されるかという方が重要になります。姑息な方法を考えるなら、例えば今話題の要素を織り込む(SGDsとかLGBTQとか)とか、今なら性別や人種差別に関わる話題に「してしまう」事も、ある意味手法の一つと言えるかも。まさに、ハレーション効果を狙って成功しているのが、昨今の極端な批判合戦の原因だと思うのだけれど、ああいうのこそAIとかのフィルタリング機能で何とかなら無いものだろうか。ハレーションは、昔の銀塩カメラ特有の現象なんだけれど、デジタルカメラでは発生しない。昔のオールドメディアなら、情報ハレーションが起こるけれど、今のネットワークでの集合知だと相殺されて消えてしまう、そんな時代に早くなって欲しい。

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