作家で、元国会議員や東京都知事を務めた、石原慎太郎氏が89歳で亡くなられたという報道。近年の政治家の中でも、この人ほど好き嫌いというか評価が別れる、それも1か0か見たいな感じで真っ二つに分かれる人もいないんじゃ無いだろうか。この人の行動力を、リーダーシップと取るかワンマンと取るか、そんな感じの人でしたね。
個人的に一番印象に残っているのは、今朝もテレビで何度も流されている都のディーゼル規制の時の記者意見で、ディーゼル排気の黒いすすを振りまくシーンかなぁ。その前にも、ガソリン車の排気ガス規制は色々あったけれど、あの会見での黒いすすのシーンが余りに強烈で、ジーゼル車の改善が一気に進んだ気もします。東京マラソンとか、豊洲移転とか、都政の黒字化とか、評価されるべき事も沢山実行した人であることは確か何ですよね。
一方で口の悪さというか、良くも悪くも昭和の人だから、平成の時代にはそぐわない部分も多々あったのは事実。年齢的には自分の父親くらいの人何ですが、テレビ等で受ける印象はそれよりも古い、どちらかというと明治生まれだった祖父みたいな印象を感じる人。考え方も、それに近いものは有ったんだろうけど、作家と言う事でガチガチの昭和感でも無かった気がするんですよね。そこは、「今」に通じるエッセンスみたいなものも含まれていた気がする。
小池都政に代わり、豊洲移転に関して百条委員会に呼ばれたけれど、あれは多分に利用された印象が強かったなぁ。「 科学が風評に負けるのは国辱」という言葉は、その言い方の是非は有るかもしれないけれど、言いたいことはよく分かる。豊洲移転時の地下水問題だけで無く、福島原発の処理水や、ネットの発達とともに誤情報や虚報が蔓延していく。特に問題なのは、メディアビジネスの軸足もネットに移行してくると、PV数がビジネスの指標になり、その為にはいかにアクセスを獲得するかが重要に。その為に、より刺激的な見出しとか、嘘では無いけれど誤解を招くでも刺激的な記事内容・構成とか、今考えてみても最近問題になっているネットに関わる事件の先駆けみたいな気がします。田中角栄氏のように、後からまた再評価される政治家になるのだろうか。それとともに、作家として暫くはこれまでの作品バブルが生まれるのかな。まぁ、良くも悪くも個性的な人物だったと思うし、もうこういう人は出てこないでしょうね。ご冥福をお祈りいたします。
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