実業家の前澤友作氏を乗せたソ連のソユーズの打ち上げが成功し、数時間後にはISS(宇宙ステーション)にドッキングをして、無事ISSに到着。これから12日間の宇宙滞在が始まります。
子どもの頃からSF小説を読みあさり、それこそキャプテンフューチャーとかレンズマンとか銀河帝国の興亡みたいな宇宙世紀の世界観に憧れてきたので、正直なところ羨ましい限り。とは言っても、今回前澤氏と関連会社役員の平野陽三氏の二人の「運賃」は100億円とも言われていて、まぁ誰でもいけるという話では無いですよね。アメリカでは、国家事業だった宇宙船打上が、とうとう民間企業のスペースXが受託するビジネスになっていて、さらに他の民間企業も宇宙ビジネスへの参入を進めている状況。確かに、宇宙関連ビジネスは完全なブルーオーシャンだけれど、必要な投資もリスクも大きいわけで、超ハイリスク・ハイリターンビジネスであることだけは確か。日本でも、北海道でのホリエモンロケットや、小型衛星の打ち上げビジネス等立ちあがっているけれど、まだまだ緒に就く以前の状態ですし。前澤氏の様に、有り余る経済力があれば既存のサービスや施設を利用してこう言うことも出来るんだろうけど、経済力だけで無くこう言う物にそれだけのお金をつぎ込める「興味」というか「好奇心」みたいな物があるかどうかも大きい気がする。
「民間人の宇宙旅行」と聞くと、私なんかの世代だと「TBSの秋山記者」を先ず思い浮かべるですが、流石NHKの記事だけあって、ちゃんとインタビューを取っているのが凄い。改めて思い出すけれど、本当はJAXAの毛利衛氏が「日本人初の宇宙飛行士」になるはずだったのが、スペースシャトルの爆発事故で打上が停止されて、それでソユーズで上がった秋山さんが「日本人初の宇宙飛行士になっちゃった」んですよねぇ。そんなことも理由なのか、毛利さんの打上までは結構あちこちで取り上げられていたけれど、毛利さん移行は何となくフェードアウトしていったのは、国としての面子みたいな物も有るのかなぁ。その秋山さんの打上が1990年かぁ。当時TBSはソ連に幾ら払ったんだろうか、何て下世話なことは想像しちゃ行けないんでしょうけど。それでも、TBSという当時の一流企業が社内プロジェクトとして大々的に実行するくらいのリソース(人、物、お金)が必要だったけれど、30年過ぎて曲がりなりにも一個人が宇宙に行く事が出来る様になったわけですし。
「お金持ち」という意味では、前澤氏以上の人も、それこそ何十人何百人と日本の中にもいるんだろうけど、前澤氏に続いて宇宙へ、という人はいないだろうなあ。スペースXの宇宙ビジネスがもう少し活発になって来れば、それこそ「観光旅行」的な使い方で宇宙に行ってみる人もいるんだろうけど。先日もアメリカで、民間人だけのフライトが行われたけれど、あれは成層圏に出て戻ってくるだけ。今現在、宇宙で滞在出来る設備はISSだけで、確かそれなりの滞在費を払ってしかも人数的にも制限されているから、宇宙へ行くことは出来ても、宇宙に滞在する事はまだまだ難しいでしょうね。ISSだって、結構以前から老朽化が言われているわけだし、代わりに宇宙ステーション建設の話は聞かれないし。逆に、月面着陸の話が最近はよく聞くようになってきて、次は月開発がトレンドになるんだろうか。昔と違って、今の月開発は月にある素材を利用して月基地開設の話とかも出てきていて、結構高杞憂的な設備が期待されているけれど、その分地球からは遠くなるし大変さはISSの比ではないかもしれない。前澤氏は、スペースXの宇宙船での民間人での宇宙ツアーも宣言していて、今回の宇宙旅行はその前提なんだろうけど、年齢的にももしかしたら「日本人初の月着陸」の称号も彼が掴むかもしれないなあ... ちょっと羨ましい(笑)。
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