佐々木俊尚氏が紹介されていた、 笠井奈津子氏による「正しい休み方」の話。以前も何度か書いたんですが、私が会社に入って新入社員研修が終わり、配属先が決まってそこに配属の挨拶をしに言ったとき、その時の上司が言ったことの中で今でも覚えているのは、「休むのも仕事のうち」という言葉。新入社員時代は、どうしても効率が悪いし覚えることも多いから、仕事が長引いて残業気味になったりするけれど、それでも土日はちゃんと休む(※当時から土日祝日は休みの完全週休二日制だった)し、残業だってだらだらやらずに一日の期限を決めて、それを超えそうならば翌日に回すか、先輩に相談しろ、みたいな話だったと思います。でもしっかり覚えているのは「休むのも仕事のうち」という言葉。
もう一つの理由は、二回目の海外出張の時。入社4年目だった前の年に初めてアメリカへ海外出張を経験したんですが、当時はほぼ同じタイミングで先輩社員が先に出張していて、私はほぼフルアテンドしてくれたので、2週間という短い出張でもあったので特に困ることはありませんでした。でも、次の年の時には、どちらも初めての海外出張となる先輩社員と後輩社員二人のお目付役として行くことに。理由は、私は前の年に一回経験しているけれど、二人は初めての出張だから。先輩社員は、新婚旅行でハワイ旅行の経験があるけれど、後輩君は初めの海外旅行でもあるので、移動から現地での生活まで有る程度面倒見ないといけない。最初は「私だって似たような状況だし」とごねたんですが「去年行っているし、問題無かったでしょ」と言われてお終い。まぁ、そうやって突き放しがちに仕事をさせるのが、この会社の芸風というか良くも悪くも自由な所なんですが、兎に私がアテンドしなくちゃいけなくなりました。で、いざ出発するという前日に当時の課長に呼ばれて、二人の面倒を頼むという事と、自分の仕事も勿論ちゃんとやって貰わないといけないけれど、それだけに根を詰めると良いことは無い。土日や向こうの休みの日はしっかり休んでリフレッシュして、それで仕事を進めるようにしなさい。「休むのも仕事のうち」とこの時も言われたことを良く覚えています。
この出張、当初は10月の終わり頃から、予定は2ヶ月で、遅くとも年内には帰国という開発サポートの出張でした。当時はバブルの頃で、自分のような若手社員でもビジネスクラスのノーマルフィーチケットが貰えたので、行きは予約を入れていったけれど、帰りはオープンというのが普通。これは、帰国経路は自由でも良いから少し楽しんできても良いという親心もあるし、出張スケジュールは変わるから予定通りに帰国出来ることはほぼ無いと言う理由も。案の定、後輩君は若手で初の出張と言う事で、年末前に一度帰国したし、先輩社員氏も家族があるからと年末に帰国。私は、他に残っている日本人数名と初めて異国の地で新年を迎えたんですが、確かこの時に年末にベルリンの壁が壊されるニュースをホテルロビーのテレビで見ていて、ちょっと唖然としていた記憶があります。年が明けて先輩・後輩が戻ってきたところで、ビザ無し滞在ぎりぎり90日前の89日位に私も一度帰国して、二週間日本に滞在してまた現地に戻って、結局本当に戻ってきたのはG.W.直前四月の最後だったんですが、まぁあの時の経験がその後の社会人としてもエンジニアとしても一番重要な財産であり基盤になっています。で、その時にげんちでも痛感した「休むのも仕事のうち」は、それ以降国内にいても不変のルールとなり、だから土日は必ず休むし、休暇もちゃんと取得するしという社会人生活が送れたから、何とかここまで生きてこられたのかも。
うちの会社は、有給休暇の取得率が上司の評価査定の一つで、部下の取得率が低いと上司(課長、部長)が怒られるので、積極的に有休取得させる雰囲気があることも助かった気がします。まぁ、その為には、休んでいる間も自分の仕事が停滞しないようにバックアップ出来る人を育てることは要求されるし、いつでも仕事を投げる(代替)出来るように資料とか情報を準備しておくこととか、それなりに自分自身でやるべき事もやっていないと駄目なんですが、そう言う環境も後から考えると随分と役立った気がします。テレワーク、オフィスワーク関係無く、またビジネスだけでなく自分の生活の中でも、何でもかんでも没入すれば良いという持って殆ど無いんじゃ無いだろうか。休みを取ることで、チェックポイントにもなるし、区切りを付けるという事はそこまでの短期計画の達成というマイルストーンにもなるわけだし。さらに言えば、単に仕事から離れるだけが「休み」では無い訳で、旅行するとか趣味に没頭するとか、「休みに集中出来る事」を持っていることも重要なんですよね。そこは間違えちゃいけない部分。そう言う意味で「正しく休むのも仕事のうち」と言う事を忘れないようにしないと。
0 件のコメント:
コメントを投稿