AppleのAirTagの登場で、「遺失物探索」というか「現在位置特定」というサービスが一気に一般化した気がします。iPhone本体とかWindowsにも、探索したりリモートロックする機能が組み込まれているけれど、それはOSというか、それなりのソフトとハードが存在しているから可能な事。例えばお財布みたいな物にそう言う電子機能を付けようと思ったら、AirTag見たいデバイスを装着するのが簡単だけれど、それだって装着可能と言う事は取り外しも可能だから、盗難なんかの場合には見つからない可能性も。ならば、内蔵させれば良いと次に考えますが、どうしても電子回路を組み込む必要が有れば電源も必要で、その辺りが解消されないと中々普及は難しそう。
ところが、クレジットカードにBluetooth技術ベースの微少回路を組み込んで万一の場合は探すことが出来るカードが、三井住友カードから出てくるという記事にビックリ。電子回路、バッテリー、さらにスピーカーまで内蔵しているそうで、それを厚み1mmも無いカードの内部に納めるのは凄いなぁ。一回充電すれば半年使えるというも、幾らBluetoothが低消費電力とは言え、それなりに大きなバッテリーが内蔵されないとそこまで持たないだろうし。そこはやはり構造的な制限事項として、ATMや券売機のように、カードを吸い込んで処理するタイプの機器では使用できないし、折り曲げに対しても2mm以上曲げないというのは結構厳しい制約だと思う。財布に入れてジーンズの後ろポケットとかに入れていたら、多分それ位はしょっちゅう曲げ圧力が掛かりそう。また、カードの有効期限(通常5年)と内蔵装置の保証期間(1年)が異なるのも、使い勝手が悪そう。
以前聞いた記憶もある「Tile」という技術を使っていて、AirTagみたいなデバイスなんかも有るみたい。AirTagの場合は、リレー形式で位置情報を伝搬させて、離れた場所にあるデバイスを探知させるけれど、このTileはBluetooth利用ということもあり、デバイスとの接続が「切れた」場所を記録することで、紛失した位置特定情報として提供するみたいなので、精度としてはちょっと劣る気がします。接続が切れた瞬間にアラートとか鳴らしてくれるならまだ良いけれど。
ただ、事クレジットカードに関して言うと、今後はどんどんスマホに取り込まれて電子決済に移行することを思うと、短命な技術活用に終わりそうな気がする。それに、吸い込み型の機器での利用が出来ないとの事だけれど、結構そのタイプの物って有りますよね。駅の券売機は大体そうだし、ガソリンスタンドもそう。あと、2mm以上曲げないと書かれているけれど、挿入タイプのカードリーダーも、抜き差しの時に結構カードに曲げ圧力が掛かると思うけれど、それは大丈夫だろうか。タッチ決済がもっと普及すれば、そう言う危惧は無くなるのかもしれないけれど、そうなればそうなったでわざわざクレジットカードを取り出すよりは、スマホのApple PayならGoogle Payを使うことの方が多くなりそうな気がする。技術的には凄いと思うけれど、色々な意味で一寸難ありな技術の様な気がします。
0 件のコメント:
コメントを投稿